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南海電鉄が16駅でVISAタッチ決済とQRコード決済の実証実験を開始

2021/4/9(金)

南海電鉄の16駅で4月3日、VISAのタッチ決済とQRコードを利用した決済で運賃を支払い、入手場できる改札機の実証実験が始まった。駅の改札でVISAのタッチ決済による利用区間の運賃支払いは国内初という。実証実験は12月12日まで行われる。
実証実験は、南海電鉄のほか、三井住友カードと、交通向け決済用サーバーの製造販売などを手がけるQUADRAC、ビザ・ワールドワイド・ジャパンの4者が共同で企画。新型コロナウイルスの感染拡大で、キャッシュレス決済が急速に広まる中、アフターコロナに向けた環境整備を図るとともに、Maas事業への展開の可能性を検証する狙いで実施された。

実施駅は、難波(2F中央改札口、3F北改札口)・新今宮(4F)など、南海電鉄16駅32改札が対象。対象外の駅で、VISAのタッチ決済や、QRコード決済による乗降はできない。



実験で展開するのは、VISAのタッチ決済による決済と、QRコードを使った事前購入の「南海デジタルチケット」の2種類。いずれの決済システムは、決済プラットフォーム「stera」を提供する三井住友カード、SaaS型プラットフォームを提供するQUADRAC、VISAのタッチ決済にちなむソリューションを提供するビザ・ワールドワイド・ジャパンの3者の技術を互いに持ち寄ることで、開発が実現した。

VISAのタッチ決済は、普段使用しているVISAカードで乗車区間の運賃を都度決済する仕様だ。クレジットやデビット、プリペイドといったVISAのタッチ決済機能のあるカードや、スマートフォン、ウェアラブルを入場時と出場時に専用改札機にかざすことで、改札通過と運賃清算が行える。運賃の設定は大人運賃のみで、VISAのタッチ決済の利用履歴は、QUADRAC社が提供するウェブサイトから確認可能だ。



南海デジタルチケットは、南海アプリ上で事前に購入し、スマートフォンに表示されたQRコードを入場時と出場時に専用改札機にかざすことで、改札通過できる。実証実験期間中に複数種類の南海デジタルチケットを試行する計画で、第1弾として、午前9時以降の入場を条件とした「時差通勤きっぷ」を発売する。時短通勤きっぷは、5~7月に片道6回券・10回券・18回券の3種類を期間限定で提供し、運賃が最大3割引となる。



QRコードを利用した決済を改札機に導入しようと模索する鉄道事業の動きは全国で見られ、2020年9月にはJR東日本が新宿駅の新南口改札と高輪ゲートウェイ駅改札でQRコード決済の実証実験を実施。西日本では、阪神電鉄が同様の実証実験を同年3月から9月まで、大阪梅田と野田、尼崎、西宮、神戸三宮の5駅で行っていた。


 
 

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