ニアミー、総額約7億円の資金調達実施 累計調達額は約16億円
2022/12/16(金)
株式会社NearMe(以下、ニアミー)は、第三者割当増資により、シリーズBファーストクローズで総額約7億円の資金調達を実施した。12月8日付のプレスリリースで明かしている。これにより、同社の累計調達額は約16億円になる。
同社は、独自のAIを活用してタクシーをシェアすることにより、格安でスムーズな移動体験を提供する“スマートシャトル”のサービスを開始した。さらに、同社は、空港送迎版“スマートシャトル”「nearMe.Airport(ニアミー エアポート)」を2019年よりサービスを開始している。同サービスは、全国13の空港とその周辺都市をドアツードアで結ぶドアツードアサービスだ。約3年間で延べ20万人以上のユーザーが利用している。
同社は、そのほかにも、東京都内および千葉県全域のゴルフ場を送迎する「nearMe.Golf(ニアミー ゴルフ)」や、貸切送迎シャトル「nearMe.Limo(ニアミー リモ)」など、さまざまなニーズに応じた“スマートシャトル”サービスを展開している。
また、近年、高齢者の交通事故の割合が増加傾向にあり、その流れを受けて、運転免許証を自主返納する高齢者が増えている。このような状況から、同社は、これまで自家用車による移動を選択しない高齢者が増えることで、移動そのものに対してハードルが高くなってしまう懸念があると考えているという。
そこで、同社は、“スマートシャトル”サービスを全国各地に展開することで、より多くユーザーに負担の少ない快適な移動体験を提供し、日々の暮らしに寄り添うサービスに発展させる。これにより、電車、バス、タクシーに次ぐ「第4の公共交通機関」となることを目指していきたいと考えているという。
なお、今回の資金調達は、政府系ファンドのJICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社(以下、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ)やDBJキャピタル株式会社(以下、DBJキャピタル)などを引受先としている。
さらに、同社は、今回の資金調達により、“スマートシャトル”事業のさらなるマーケティング投資により、サービス認知および利用拡大を図る。くわえて、事業拡大を見据えた採用活動を強化していくと述べている。
▼関係者のコメント
■JICベンチャー・グロース・インベストメンツ パートナー 市村駿氏のコメント
ニアミーは、タクシー業界のDX推進と生産性向上を狙う“スマートシャトル”を提供するにとどまらず、地域の交通や移動問題を解決し、地域活性化に貢献するという強い想いを持って事業を進めている点に共感し、投資をさせていただきました。
成熟したタクシーという交通インフラを活用し、この地域資産と人々のニーズをマッチングするプラットフォームを提供することで、日本社会が抱える移動問題を解決できる大きな可能性を有しております。ニアミーが目指しているのは第4の公共交通機関であり、誰一人取り残さず移動が容易にできる社会の実現のため、JICグループとして成長支援を行っていきたいと考えております。
■DBJキャピタル シニア・インベストメント・マネージャー 磯部真吾氏のコメント
ニアミーは、タクシーという規制業界や周辺事業の関係者を巻き込みながら、AIを活用した新たなシェアリングサービス“スマートシャトル”を各地で展開しており、髙原社長の高い事業開発力と強い実行力を評価して今回3回目の投資をさせていただきました。タクシーのライドシェア事業にはドアツードア移動の裾野を拡大する観点以外にも、運送の効率化による脱炭素文脈でも注目しており、今後タウンユースでも利用が一般的になることを期待しております。スマートなチームニアミーがさらに活躍されることを期待し、弊社も引き続きサポートさせていただきます。
■ニアミー 代表取締役社長 髙原幸一郎氏のコメント
今回の資金調達では、現在展開している“空港向けのスマートシャトル“で最初の第4の選択肢になるべく、アライアンスやマーケティングによりしっかりとサービス認知および利用拡大を図ります。また、採用などを通じて組織体制を強化させて、空港向けサービスで構築したプラットフォームを他の利用シーンや日常の移動においても展開し、スピード経営で事業を推進してまいります。(一部抜粋)