日本交通、新型コロナ軽症患者移送専用車の稼働を開始
2020/7/9(木)
日本交通株式会社(以下、日本交通)は、新型コロナウイルス支援策の一環で、タクシーを患者(主に軽症者)の移送用に改造した専用車両の稼働を7月7日から開始した。当面は5台でスタートし、今後の感染状況を鑑みながら公益財団法人 日本財団と増備を検討していく方針。
今回の専用車両の投入は、日本財団の新型コロナ感染症対策「タクシーを利用した医療従事者等の移動支援」の取り組みとして行ったもの。トヨタ自動車、デンソーらの協力のもと、トヨタ「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」車両をベースに、主に軽症者を想定した患者の移送用車両へと改造した。なおこの車両は、一般向けの営業を行わず、保健所などからの依頼に基づき運行する。運転者は患者の乗降時も車両を下りないように運用し、患者との接触は一切ないとのこと。
車両後方スペースの間に隔壁を設置
運転席・助手席がある車両前方スペースと車両後方スペースの間に隔壁を設置し、前方と後方に圧力差を作ることによって後方の空気が前方に循環しないようにコントロールできる。トヨタが感染拡大の抑制や医療現場の支援に向けて開発したものを採用した。後部座席には、車両前部にあるエアコンから専用のパイプで冷気を送る仕組みとなっており、エアコンのオン・オフのスイッチを後部座席から操作できないようにした。エアコン停止前に運転席側に設置した専用のバルブを閉めることで、運転席側への空気の逆流を防ぐことができる。
また、後部座席の側面窓は窓を開けた状態で固定しており、常に車内換気を行える状態を保つ。後部座席ドアのパワーウィンドースイッチは操作できないように改造してある。
後部座席と前席助手席部分には、デンソー製の高効率空気清浄機を設置。微粒子(0.3μm)を99%以上回収できるフィルタを採用し、車内の空気を浄化することができる。