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大林組とKDDIスマートドローン、建設現場の監視と測量に関する実証実施

2022/11/17(木)

株式会社大林組(以下、大林組)とKDDIスマートドローン株式会社(以下、KDDIスマートドローン)は、ドローンやAI、IoTなどを活用し、建設現場における生産性向上を実現するための技術開発に共同で取り組む。11月9日付のプレスリリースで明かした。第一弾として、三重県伊賀市で建設中の川上ダム本体建設工事にてドローンを活用した監視および測量に関する実証を行う予定だ。

2022年12月に「有人地帯(第三者上空)における補助者なし目視外飛行(レベル4飛行)」に関する法整備が予定されるなど、ドローンの活用の幅は年々広がっている。建設業界においても、人による作業の代替や業務効率化など、生産性向上への貢献が期待されている。一方、無人地帯での飛行(レベル3飛行)においても、運航安全性の向上のため、新たな技術開発が求められている。

同実証では、大林組の現場施工管理の知見やノウハウと、KDDIスマートドローンが開発した運航管理システムなどを組み合わせたドローンシステムを検証する。同システムを活用することで、ドローンが目視外で自律飛行し、建設現場および既存インフラの巡視、点検、計測、異常検知を自動で行うことが可能だ。

具体的な実証内容としては、ドローンが現場に設置した充電ポートから離陸し、現場内を目視外無人飛行(レベル3飛行)で自律飛行する。飛行中には、機体に設置したカメラで現場の状況を携帯電波網(LTE回線)経由でリアルタイムに配信し、静止画を撮影する予定だ。その後、ドローンは充電ポートに帰還する流れになっている。

また、飛行中に撮影した画像は、帰還後、自動でクラウドにアップロードされ、関係者へ共有される。同時に、AI等を活用した解析、点群データ、オルソ画像※への変換などを実施し、施工検討に利用する情報として出力する。両社は、この技術開発を通じて、現場に赴かないと確認できなかった現場状況の把握にくわえ、巡視測量時間の削減効果を見込んでいるという。

※ 空中写真の位置ズレをなくし、真上から見たように傾きのない、正しい大きさと位置に表示されるように変換した画像(プレスリリースより)

なお、同実証は、国土交通省が募集した官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM、プリズム)に提案し、2022年9月10日に採択されたことを受けて実施する。さらに、両社は、今後もドローンの社会インフラ化に寄与する技術開発に取り組み、豊かでサステナブルな社会の創造を目指していくと述べている。


(出典:大林組 Webサイトより)

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