OKI、自動運転車の高速道路への合流をシミュレーション 安全走行に向け効果測定が可能に
2019/9/9(月)
沖電気工業株式会社(以下OKI)は、路側センサーや路車間通信装置といった道路インフラシステムの設置条件の検討および運用効果測定のためのシミュレーション技術を開発した。
自動運転車の安全走行実現への取り組みが進展している一方で、円滑な走行の実現は大きな課題だ。自動運転車は車載の自律系センサー※により周囲の安全を認知・判断しており、特に、建造物などに遮られた合流地点では、自動運転車が本線側を走行する車両(以下、本線車両)の位置や速度などを把握できず、合流のタイミング調整が困難となる。円滑な合流を実現するためには、本線車両の情報を提供する新たな支援システムとして道路インフラシステムの適用検討が必要で、その際の設置条件の検討、効果測定および運用の検証が課題となっていた。
そこでOKIがこの点に着目して開発した本技術により、道路インフラシステムを導入した合流地点における車両走行の安定化を検証し、導入効果を事前に確認することができる。
さらに、自動運転車や一般車の車両制御モデル、各種道路の速度制限、路車間通信の路側機設置条件や路側センサーの設置条件など様々な条件に応じて、設置環境に最適な設備の構築を検証することが可能となる。これにより道路インフラシステムの検証・構築をサポートする。
また、OKIは内閣府の総合科学技術・イノベーション会議が推進する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第1期/自動走行システム」の一環として本シミュレーション技術を用いて、実環境で想定される周辺車両による電波の遮蔽やマルチパスなど電波関係の影響を考慮して、車両挙動の安定化や交通流の円滑化を支援する通信のメッセージセットやプロトコルを検討し、その効果を評価した。
加えて、高速道路の合流のモデルケースにおいて車両の挙動の安定化検証をさらに拡張し、路側センサー、路車間通信装置の設置条件の検討だけでなく、自動運転車の挙動の把握や合流地点の交通流の変化の推測などの、自動運転車の円滑な合流に対する効果も分析した。
※車両単独で周辺の障害物などを検知可能なレーダやカメラなどの車載センサーのこと。