三菱商事エネルギーら5社、車両メンテナンス管理プラットフォーム開発
2021/10/14(木)
オリックス自動車株式会社(以下、オリックス自動車)ら5社は、車両メンテナンス管理専門の共通プラットフォーム「FLEET PITLOCK(フリート・ピットロック)」の開発、普及に向けて業務提携した。オリックス自動車が10月12日付のプレスリリースで明かしている。
自動車整備工場では、自動車整備士資格(国家資格)の取得や、メンテナンス技術の習熟までに一定の経験が必要だ。このため、新たな人材確保が極めて難しい。さらに、車両の進化に伴う新規技術の習得においても、整備工場の負担が高まっている。また、自動車リース業界では、車両(トラックやバンなどの営業車、社用車、自家用車)を企業や個人に長期間賃貸している。さらに、車検、修理・点検など、車両維持管理業務にも対応している。一方、整備工場では、複数のリース会社のメンテナンスを請け負っているケースが多い。そのため、各リース会社固有のシステムと連携せざるを得ないことに加え、電話やFAXでのメンテナンス依頼もいまだにあり、受注体制が複雑だ。
三菱商事エネルギー株式会社(以下、三菱商事エネルギー)は、このような課題に対応するため、「PITLOCK」のノウハウを転用する。「PITLOCK」は、三菱商事グループ会社の株式会社カーフロンティアが提供する、自動車メンテナンスの管理専門WEBシステムだ。今回の業務提携では、自動車リース業界を横断する車両メンテナンス管理専門の共通プラットフォーム「FLEET PITLOCK」を開発し、業界全体への普及を目指す。
同業務提携は、オリックス自動車、住友三井オートサービス株式会社(以下、住友三井オートサービス)、日本カーソリューションズ株式会社(以下、日本カーソリューションズ)、三菱オートリース株式会社(以下、三菱オートリース)と三菱商事エネルギーの5社で行う。三菱商事エネルギーは、「FLEET PITLOCK」の開発・運用を担当する。オリックス自動車、住友三井オートサービス、日本カーソリューションズ、三菱オートリースの4社は、その開発協力と自社システムとの連携を検討する予定だ。2022年10月の稼働開始を目指す。
「FLEET PITLOCK」には、各リース会社のメンテナンス依頼データ(車両・顧客・契約内容など)を集約。車両を一元閲覧・管理できる機能やメンテナンス対象月の車両を検索する機能を付与する。自動でWEB予約の案内メールを発信し、スケジュールを管理することができる。また、メンテナンス状況(入庫中、一時返却中など)を確認・更新できるステータス管理や、リース会社へのメンテナンス報告と請求情報を一元化する請求管理も可能だ。
メンテナンスを受けるエンドユーザーは、同プラットフォームにより、WEB予約によるフレキシブルなメンテナンスの予約ができる。これにより、メンテナンスの日程調整の効率化に寄与する。なお、オリックス自動車は、自動車リース事業者・カーシェアリング事業者・レンタカー事業者などにも加盟を広げるという。さらに、整備工場にメンテナンス業務を委託する事業者に「FLEET PITLOCK」を提供することで、整備工場のさらなる効率化と業界全体の合理化を目指すと述べている。