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グリーン水素を活用したe-メタン大規模製造、大阪ガスらが検討開始

2023/8/31(木)

e-メタンの製造過程
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大阪ガス株式会社(以下、大阪ガス)らは8月29日、大阪港湾部におけるグリーン水素を活用した国内初となる国産e-メタンの大規模製造に関する共同検討開始を発表した。ENEOS株式会社(以下、ENEOS)と共に取り組むという。
同検討は、海外で製造したグリーン水素を、効率的な水素の貯蔵・輸送手段の一種であるメチルシクロヘキサンに変換して輸送する。そして、国内で回収したCO2と組み合わせて、国産e-メタンを大規模に製造するというものだ。2030年までに大阪港湾部で6000万m3/年(1万Nm3/h、一般家庭約25万戸相当)規模での製造設備構築、および製造開始を目指す。

なお、両社は、e-メタンの社会実装に向けて、大阪ガスでは国内で排出されたCO2の利活用について三井化学株式会社と検討を進める等、さまざまな取り組みを展開しているという。さらに、両社は、今回の検討を通じて、国産e-メタンの大規模製造設備を構築し、カーボンニュートラルとエネルギー安定供給の早期実現に向けて取り組んでいくと述べている。

▼関係者のコメント
■大阪ガス 代表取締役 副社長執行役員 宮川正氏のコメント
当社グループは、2050年カーボンニュートラル実現を目指しており、本検討はその達成に向けた非常に重要な取り組みの一つです。今回、ENEOS様の協力のもと、国産e-メタンの大規模製造が実現する可能性が出てきたことは大変意義深いと考えています。今後、周辺の事業者様とも連携することで、産業界のCO2リサイクルにつなげ、日本のNDC※の達成に寄与していきたいと考えています。当社グループとしては、本検討の実現を目指すとともに、現在海外で検討中の他のe-メタンプロジェクトも着実に進めることで、e-メタンの社会的意義を高め、ガス業界全体での脱炭素化にも貢献してまいります。

■ENEOS 代表取締役 副社長執行役員 宮田知秀氏のコメント
ENEOSは、2040年度を目途にエネルギー供給あたりのCO2排出量の半減を目指しています。この目標を実現するためには、さまざまな用途における水素利用に関する検討を進めることが重要です。そうした中、大阪ガス様との共同検討により、グリーン水素を活用した国産e-メタンの大規模製造に関する共同検討に取り組むこととなり、大変喜ばしいことです。当社としては、本検討の実現を目指しつつ、現在海外で進めているCO2フリー水素プロジェクトを着実に進め、エネルギートランジションを推進していきます。

※ Nationally Determined Contributions
パリ協定に参加する各国が国連に提出する温室効果ガス排出削減目標。現在日本は、2050年カーボンニュートラルと整合的で、野心的な目標として、2030年度において、温室効果ガス46%削減(2013年度比)を目指すこと、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けることを表明している(プレスリリースより)
(出典:大阪ガス Webサイトより)

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