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PASら、次世代コックピットの仮想化セキュリティの有効性を実証

2023/1/24(火)

共同開発の構成図

パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社(以下、PAS)ら3社は、車のインフォテインメントシステムを中心とした次世代コックピットシステムへのサイバー攻撃に対抗する仮想化セキュリティソリューションの有効性を実証した。1月23日付のプレスリリースで明かしている。

同実証は、PAS、トレンドマイクロ株式会社(以下、トレンドマイクロ)、トレンドマイクロの子会社であるVicOne Inc.(以下、VicOne)の3社で実施する。PASとトレンドマイクロは、安全な自動運転・コネクテッドカーの実現を2018年から目指していた。そして、自動運転・コネクテッドカーに対するサイバー攻撃を検出および防御するサイバーセキュリティソリューションの開発に取り組んでいる。今回の実証は、2018年から行っている共同開発にくわえ、自動車の次世代コックピットシステムのセキュリティに開発範囲を拡大するものだ。

次世代コックピットシステムでは、複数のECU(Electronic Control Unit)に搭載されている機能が、仮想化プラットフォームにより、一つのECUに集約する流れが進んでいる。例としては、スピードメーターやカーナビゲーションをはじめとしたインフォテインメントシステムなどだ。さらに、車両外部と通信するサードパーティー製アプリケーションの導入、ドライバーへの警告や運転の制御を支援する先進運転支援機能の集約なども検討されている。

一方で、次世代コックピットシステムの脆弱性を悪用したサイバー攻撃や、Wi-FiやBluetoothなどの通信機能を経由した不正アクセスを受けた場合、それらが起点となり先進運転支援機能などに影響を及ぼす懸念がある。

今回の実証は、これらの課題解決を目指したものだ。PASの「VERZEUSE for Virtualization Extensions」と、トレンドマイクロおよびVicOneの「xCarbon」を実装した仮想化セキュリティソリューションにより、仮想化プラットフォーム上の通信データを監視。サイバー攻撃による不正な通信を検知、防御できることを確認している。

また、「VERZEUSE for Virtualization Extensions」は、アプリケーションが仮想デバイスを利用する際の通信データを取り出す拡張インターフェースを提供する。他社製を含むセキュリティ機能がこの拡張インターフェースを利用することで、通信データを監視するセキュリティプラグインを追加できる、高い拡張性を実現する。また、仮想化プラットフォームの中で、サイバー攻撃が届きにくい安全な領域にセキュリティ機能を配置可能であり、堅牢性を高めている。

トレンドマイクロおよびVicOneのxCarbonは、車両に対するサイバー攻撃を検知・防御する車両向け組込型セキュリティだ。xCarbonが、「VERZEUSE for Virtualization Extensions」の拡張インターフェースと連携することで、仮想化プラットフォーム内の通信データを監視する。そして、脆弱性を悪用した攻撃や通信異常等から次世代コックピットシステムを保護するという仕組みだ。

3社は、今後同実証で得られた知見をもとに技術要件の検討を進め、仮想化セキュリティソリューションを搭載した次世代コックピットシステムの実用化を目指すという。なお、今回の実証の内容については、1月25日~27日に東京ビックサイトで開催される第15回オートモーティブワールドで紹介するという。

(出典:パナソニック オートモーティブ Webサイトより)

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