今回の契約締結の目的は、EVの普及に向けた車載用リチウムイオン電池のさらなる性能向上だ。シリコン材は、現在リチウムイオン電池の負極材に広く使用されている黒鉛に比べ、理論値で約10倍の容量を有する特徴を持つ。しかし、充電時に膨張しやすい特性により電池を劣化させることが添加率を高める上での課題である。

今回調達するシラ社の次世代シリコン材Titan Siliconは、従来のシリコン材と比較して高容量かつ充電時の膨張抑制が可能な材料だ。パナソニック エナジーの電池技術と組み合わせることで、負極材中の黒鉛をより多くの比率でシリコンに置き換え、エネルギー密度を向上させることができる。

また、パナソニック エナジーは、英国のNexeon Limited（ネクシオン社）との次世代シリコン材の売買契約締結を7月に発表している。今後もさらなるシリコン材の調達網拡大に努めるという。さらに、今後もリチウムイオン電池業界の成長をけん引し、引き続きさまざまなパートナーシップの構築を進めていくと述べている。