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埼工大、自動運転社会実装を見据えた愛・地球博記念公園での実証に参加

2023/2/1(水)

使用車両の大型バス

埼玉工業大学は、愛知県が実施する2022年度「自動運転社会実装モデル構築事業」に協力し、愛・地球博記念公園において開催される自動運転の社会実装を見据えた実証実験に参加する。1月26日付のプレスリリースで明かした。

同事業の目的は、実運行において再現可能なビジネスモデルの構築を目指すことだ。エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社を幹事会社とする共同体で愛知県より委託を受け、事業実施する。この実証実験の一環として、愛・地球博記念公園において、「園内バスルートでの自動運転バスによる運行」をテーマに、公園利用者等の移動手段を想定した実証実験を2月10日、11日、12日、14日に行う。

同実証の特徴は、愛・地球博記念公園において大型バスによる初の自動走行を実施する点だ。交通事業者が運行を担当し、自動運転バス車内外の安全や運行面での課題抽出を行う。これにより、安心・安全な運行方法の確立を目指す。

また、同実証では、「歩車混在環境におけるAI映像解析技術を活用した注意喚起」や「5Gを活用した危険箇所リスクの検出」も実施する。「歩車混在環境におけるAI映像解析技術を活用した注意喚起」では、多数の歩行者による往来が見込まれる北1駐車場付近の走行ルート上で、AI映像解析技術により周辺の歩行者の状況を分析する。さらに、自動運転バスの接近時に路側に設置したスピーカーから音声で注意喚起を行うことにより、歩行者と自動運転バスの安心・安全な共存の在り方の検証する。

「5Gを活用した危険箇所リスクの検出」では、走行ルート上や車両内外に設置した複数のカメラ(路側/車載カメラ)を5G等に接続して、運行状況を鮮明な映像により遠隔管制室にて監視する。そして、遠隔管制室と車両との間でコミュニケーションを取り、事故等を防ぐ予定だ。

車載カメラには、株式会社東海理化の提供する画像処理システムを活用することで、遠隔監視の複数画像を統合し、車両周囲の死角が少ない映像を伝送して、遠隔管制者の負荷を軽減する。一方、路側カメラは、車両から死角になる場所や子供を含めた歩行者の移動が多い危険箇所に設置して有効性を分析する。くわえて、ENWA(エンワ)株式会社の提供する映像伝送システム「DiCaster(ディーキャスター)」を採用した。これにより、専用の機材を用意することなく、スマートフォンにて高精細な映像を低遅延で伝送している。

ほかにも、同実証では、車両の走行に対する歩行者の危険認知感覚をAIで再現し、歩行者にとって安心感のある自動運転車両の速度・経路等の走行方法をシミュレーションにより検証する。歩行者の危険認知感覚は、事前に5名の男女のモニターにさまざまな条件の車両の走行映像を歩行者視点で視聴してもらい、その際の脳活動データ等をAIで解析し危険認知スコアとして数値化したものだ。この数値を基に、歩行者の反応(回避行動)をデジタル空間上で再現する。

同時に、デジタル空間内で、車両の速度、車両が歩行者に向かってくる方向、車両までの距離等の数値を入力し、自動運転バスが走行している園内の状況を再現。これらの数値から、デジタル空間において、多数の歩行者の往来が見込まれるエリアの自動運転車両と歩行者の動きの関係性をシミュレーションする。自動運転車両の走行条件の速度や走行経路、歩行者の往来量を変更させることで、歩行者にとって安全な自動走行の実現につなげる。

同事業では、将来的に、自動運転車両の速度・経路等の設定にシミュレーション結果を活用することを想定しているという。今回の実証では、シミュレーションによる歩行者の動きと実際の歩行者の動きを比較することで、シミュレーションの有効性を検証する予定だ。

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