【しずおかMaaS】AIオンデマンド交通・鉄道混雑の緩和策など検証
2020/10/13(火)
地域コンソーシアム「静岡型MaaS 基幹事業実証プロジェクト(通称・しずおかMaaS)」は、11月から2020年度の実証実験を開始すると発表した。
しずおかMaaSは、2019年、2020年に国土交通省・経済産業省が行う事業に選定された。2019年5月27日に地域密着型の官民連携コンソーシアムとして発足。実施主体は静岡鉄道、静岡市、県のタクシー協会など地元の企業・団体を中心に構成し、日本ユニシスや三菱電機、未来シェアなどが協力会社として参画している。今回の実証実験では、「自家用車運転スコアリング、データ取得」、「AIオンデマンド交通の運行」、「静鉄電車リアルタイム混雑情報提供・デジタルクーポン発行」の3項目を行う。
「自家用車運転スコアリング、データ取得」では、運転データを取得する車載デバイスを無償貸与する。デバイスから取得した運転データをもとに「運転スコア」を算出し、実証の参加者に報告書を送る。取得したデータは安全運転の啓発に利用するほか、今後の交通施策の検討にも活用する方針だ。
「AIオンデマンド交通の運行」は、「草薙のりあい号」「庵原のりあい号」と名付けられた車両で乗り合いサービスを運行する。乗車定員を5名に限定したバンタイプの車両を利用し、草薙エリア(JR草薙駅南口周辺)と、庵原エリア(静岡市清水区庵原町など)を走る。10月下旬リリース予定の「しずてつMapS!(マップス)」アプリから、または電話で配車リクエストが可能だ。AIオンデマンド交通システムの活用によって乗降場所を柔軟に設定できるほか、スマートフォンを使えない利用客がいることも想定し、モビリティポート(呼び出し画面付きの乗り場)を2カ所設置する。さらに、移動サービスの新たな収益源として、両車両で貨客混載サービスの検証も行う。
「しずてつMapS!」は、「静鉄電車リアルタイム混雑情報提供・デジタルクーポン発行」でも利用する。駅構内にあるモニターで混雑度を予測し、「しずてつMapS!」と「しずおかMaaSホームページ」のほか、駅構内に設置するデジタルサイネージから予測結果を閲覧できる。
また、デジタルクーポンはこれらの混雑情報と関連し、「電車が空いている時間に乗ればお得」になるように設計して仮想的なダイナミックプライシングの検証を行う。混雑度を4段階に分け、空いている時間に乗車すれば、飲食・小売など協力店舗の割引クーポンが受け取れる仕組みだ。クーポンの受け取りは駅構内にあるデジタルサイネージのQRコードを読み取って行う。
今回の実証実験の期間は11月1日から12月25日、一部は2021年1月31日までを予定している。
(出典:しずおかMaaS Webサイトより)