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ソニー、ブロックチェーンを活用したMaaSデータ基盤を開発

2020/4/24(金)

ソニー株式会社(以下、ソニー)は、あらゆる交通機関を統合・最適化する次世代移動サービス MaaS(Mobility as a Service) 向けに、ブロックチェーン技術を活用した共通データベース基盤(ブロックチェーン・コモン・データベース 以下、BCDB)を開発したと発表。ソニーが独自に開発したBCDBは、データの高速処理が特長で、一日に700万件以上の匿名化された移動履歴と収益配分の記録、共有を可能にする。MaaS向けに加え、スマートシティへの応用も想定している。
MaaSとは、単一の交通モードではなく、電車やバス、タクシー、カーシェアリング、配車サービス、レンタル自転車などの、あらゆる交通手段をITやクラウド技術で統合して、利用者の移動ニーズに合わせて最適な交通サービスの組み合わせを、検索から、予約・決済までを一括でシームレスに提供する概念。

ソニーは、オランダのインフラ水管理省が2019年に公募したMaaSプログラム「ブロックチェーン・チャンレンジ・プログラム」に参画し、2020年3月末まで BCDB を用いた実証試験を行った。参加者の中で同省の要求仕様に対応できたものはソニーのBCDBのみだったという。

ソニーの発表によると、ブロックチェーン技術をMaaS 向けに活用し大規模な移動履歴と収益配分の記録、共有を実現した実証試験は業界初の取り組み。

ブロックチェーン技術は、プログラムや情報の破壊・改ざんに強いネットワークを作り、データや権利情報を複数の事業者が共有し、管理するのに適している。ソニーのBCDBは、MaaSに関わるさまざまな事業者間でブロックチェーンの分散台帳に情報を記録・共有する。これによって、信頼性と透明性を持った情報の活用と、さまざまなサービスへの展開が可能となる。

ソニーはグループ企業を含め、ブロックチェーン技術をさまざまな分野へ応用するべく積極的な展開を見せている。教育分野では「教育データの認証・共有・権限管理システムの開発」、エンタテインメント分野では「デジタルコンテンツの権利情報処理システムの開発」などを展開。また「ICカードを利用した仮想通貨ハードウェアウォレット技術の開発」など仮想通貨の分野にも展開している。

モビリティに関わる分野としては今回のMaaS向けの他に、BCDBのスマートシティ構想における各種センサデータ記録・共有などへの応用も期待しているという。

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