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住友ゴム センサーいらず!あらゆる情報を 検知するタイヤ・センシング技術

2017/10/11(水)


――路面の滑りやすさをドライバーが確認することはできますか?

路面が滑りやすいと判断した場合に、ドライバーへ警告を発することが可能です。

デモ用の端末(下図)では道の滑りやすさを4段階で色分けしています。車両情報では、クルマの総重量を推定して4つのタイヤにどれくらい荷重がかかっているのかが数字で表わされます。パンクしていると、アラームを出して光ります。現在、開発中である摩耗以外の3つの技術を集約して、走りながらオンラインで見ることができます。また、GPS情報を取り込んでいるので、走行した路面の滑りやすさをマッピングする機能も設けています。


――自動運転化社会に「SENSING CORE」の技術をどう生かされますか?

実際にどれくらいタイヤがグリップしているかを検知できる技術はなかなかありません。例えば、ブラックアイスバーンは、見た目はアスファルトの道ですが、うっすらと氷の膜が張っているので、すごく滑りやすい状態でカメラなどでも識別は難しいと考えています。実際の滑りやすさを検知することで、車間距離の警告やブレーキを促せるようなツールにしたいと思っています。

アスファルトから雪道に入ったときに、検知に2秒前後かかります。応答性が課題ですが、いろいろなクルマが搭載して走ることで、タイヤからの情報を車同士で通信し合うこともできます。

クルマが自分の持ち物ではなくなり、カーシェアリングされるような時代になったら、タイヤのメンテナンスの問題が出てくるでしょう。タイヤの情報をクルマが検知し、カーシェアリングの管理センターにタイヤ情報を飛ばすことで交換時期がわかれば役に立ちます。やはり、タイヤメーカーとしては、整備不良のタイヤではなく、適切な状態のタイヤで走って欲しいという思いがあります。

将来的には、空気圧、摩耗状態の他に、損傷の状態も回転信号から判別するということも考えています。新しい技術が増えてきたら、自動運転やカーシェアのクルマ向けのニーズも増えてくると思っています。

――「SENSING CORE」で取得できるビッグデータを今後どのように生かしていく予定でしょうか。

例えば、滑りやすい道の情報をクラウド上に集約し、カーナビ上で警告として発信できれば、ドライバーはより注意して慎重に運転することができます。

また、どのような走り方をして、どれだけの走行距離で摩耗したか、といった一般フィールドでの情報はなかなか取得しにくい情報なので、タイヤの開発にフィードバックすることで、今後の技術開発にも生かせます。
クルマの荷重をすべて支えているタイヤは唯一路面と接している部品であり、タイヤにしかわからない情報が存在します。その情報を多方面にシェアすることで、安全なクルマ社会の実現に貢献できればと思います。

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