【全国初】村田製作所ら、人流センサとGPSを活用したバス課題実証開始
2023/4/24(月)
株式会社村田製作所(以下、村田製作所)ら3者は、人流センサとGPS、独自の分析技術を用いた全国初※のバス課題実証実験を5月1日から開始する。
※村田製作所調べ。2023年4月20日時点。
都市部や人口の多い地方などは、電車や路線バスなどの交通網が発達している。しかし、地方ではマイカーの保有率が高く、移動手段に自家用車を用いることが一般的だ。一方で、高齢率の高い地方では、高齢による免許返納などにより自家用車の保有率が低く、路線バスが移動手段となっている。さらに、そういった地域では人口減少に伴い、路線バスの採算が合わないなどで本数を減らす、運行を取りやめるといった状況が発生している。実際に、市営バスの利用者は新型コロナウイルス感染症の影響を受け大幅に減少し、赤字路線が増えている。そういった中、市営バスの交通サービス維持のため効率的なダイヤ改正が必要になるが、人による手作業で情報の処理・分析をしており、多くの時間がかかっているのが現状だ。同実証は、村田製作所とSWAT Mobility Japan株式会社(以下、SWAT)、北九州市の3者で実施する。同実証の目的は、北九州市営バス(以下、市営バス)の安心・安全な車内環境づくりだ。さらに、同実証は、「東田・未来都市プロジェクト」に採択されている。
市営バスでは、全国共通ICカード以外にも現金や一日乗車券などを利用する人が多く、乗降実態を正確に把握するために多くの手間と時間をかけている。そこで、村田製作所の人流ソリューションとGPSデバイスを用いて、どこのバス停で何人乗降したかを把握する。くわえて、市営バスで導入しているSWATが開発した「乗降データ分析ツール」とデータ連携することで、利用状況分析までをデジタル化し、ダイヤ改正の作業効率・正確性の向上を目指す。また、CO2センサによるCO2濃度の計測により、混雑度などの車内環境を見える化し、安心・安全な車内空間の実現を目指すという。
なお、3者は、今後実証実験の結果を基に検証を行い、展開するバスの台数を増やしてバスの交通サービス維持・安全性向上に向けて取り組んでいくと述べている。