東急不動産とT2、自動運転と次世代基幹物流施設の在り方具体化で提携
2025/10/7(火)
東急不動産およびT2は10月6日、両社共同で、高速道路から自動運転トラックの受け入れを可能にする物流施設の在り方を具体化するとともに、車両を整備する拠点の開発を検討するための戦略的業務提携締結を発表した。合わせて、東急不動産HDが出資するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「TSVF2投資事業有限責任組合」を通じて、T2への出資も完了しているという。
T2は、レベル4自動運転トラックによる幹線輸送の発着拠点として、東急不動産や三菱地所株式会社などが神奈川県横浜市や京都府城陽市をはじめ、全国主要都市への展開を計画する、高速道路ICに直結した「次世代基幹物流施設」を利用する予定だ。
東急不動産では、これらの「次世代基幹物流施設」にくわえて、今後佐賀県をはじめとする九州圏、茨城県などの国内主要産業拠点の高速道路IC(スマートIC)至近のエリアについても、産業まちづくり事業の一環として面的に整備するために、全国の産業団地とネットワーク化した物流施設を計画しているという。
T2では、現状の関東から関西までの運行区間について、2029年度に九州までの延伸を目指しており、東急不動産が計画中の物流施設も発着拠点として新たに利用するために、今回の戦略的業務提携を締結している。
なお、両社は、今回の提携を契機に、共同で、当該施設の設計や運用ルールの策定など高速道路から自動運転トラックの受け入れを可能にする物流施設の在り方を具体化していくとともに、これと別に、幹線輸送を行う上で必要となる車両整備拠点の開発も検討を進めることにより、完全無人状態の自動運転トラックを用いたシームレスな輸送や省人化を実現する物流施設を全国各地へさらに広げていく。くわえて、東急不動産が注力する再生可能エネルギー事業と自動運転トラックを組み合わせた新たな取り組みの可能性も追求していくと述べている。
▼関係者のコメント
■東急不動産 インフラ・インダストリー事業ユニット インダストリー事業本部 執行役員 本部長 佐藤公俊氏のコメント
このたび、T2様との資本業務提携の機会をいただけましたこと、心より感謝申し上げます。T2様は高度な自動運転技術を活かし、トラックドライバー不足という社会課題に挑戦する先進企業であり、当社が開発する高速道路インターチェンジ至近の物流施設・産業団地と高い親和性があります。今後は両社で連携し、全国で自動運転トラックの物流ネットワークを構築していくとともに、当社の強みである「GX推進力」と、T2様の強みである「DX推進力」を掛け合わせ、持続可能な物流の実現に取り組んでまいります。
■T2 代表取締役CEO 熊部雅友氏のコメント
この度は、東急不動産様との提携に加えて、CVCファンドからの出資も賜り、心より感謝申し上げます。レベル4自動運転トラックによる幹線輸送を本格化させるには各地の物流施設における受け入れ体制の構築が不可欠となるため、本提携が将来の姿に向けた一歩となるようT2として力を尽くしてまいります。