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東大・ソフトバンクら、次世代AI都市シミュレーターの研究開発開始

2021/4/30(金)

次世代AI都市シミュレーター
(イメージ)

国立大学法人東京大学(以下、東京大学)は4月28日、ソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)、小田急電鉄株式会社(以下、小田急電鉄)、および株式会社グリッド(以下、グリッド)と共に、東京大学とソフトバンクが行うBeyond AI 研究推進機構の研究テーマの一つとして、小田急線海老名駅と周辺施設を対象に、来訪者の行動変容を促す人流誘導アルゴリズムを実装する「次世代AI都市シミュレーター」の研究開発において連携し、研究を開始すると発表した。

Beyond AI 研究推進機構は、東京大学、ソフトバンク、ソフトバンクグループ株式会社、およびヤフー株式会社が設立したAI研究機関だ。「基礎研究(中長期研究)」と、社会課題へのAI(人工知能)の活用を目的とする「応用研究(ハイサイクル研究)」の二つの領域で研究に取り組んでいる。今回、応用研究の一つとして、スマートシティに関する研究を行うことを決定した。

今回の研究では、小田急電鉄、およびグリッドと協力し、小田急線海老名駅および周辺施設の各種データと人流誘導アルゴリズムを組み合わせ、快適で便利な都市づくりと地域活性化への貢献を目指す。1日の乗降客数が10万人を超える小田急線海老名駅とその周辺地域を研究の対象とすることで、都市におけるAI活用の有用性を、効果的に検証する。

仮想空間に現実世界を再現するデジタルツインを活用して、デジタル空間上に小田急線海老名駅と周辺エリアを再現し、人流・交通・購買・来訪者の属性などのデータを使って、人々の流れや行動を可視化・予測するシミュレーションを行う。これに基づき、実際に、来訪者のスマートフォンアプリへの各種情報の通知やクーポンの発行、施設内のデジタルサイネージでの情報表示などを実施することで、人々の行動変容を促し、混雑緩和と購買促進の両立、交通の最適化、災害時の避難誘導などに関わる技術を開発し、社会実装を目指すという。

開発環境の構築は、デジタルツインや、それを活用した都市の最適化技術を有するグリッドが行う。またデータの処理基盤は、Vantiq, Inc.が提供する、イベント・ドリブン型アプリケーション開発プラットフォーム「Vantiq」を使用する。

なお東京大学は、地域におけるより多様なデータを活用し、人流誘導に加えて、エネルギーや物流の効率化など、環境負荷軽減に貢献する都市づくりの検討を進めるという。また、今回の研究結果を基に、実用性・汎用性が高いソリューションの開発を進める。この研究を通して、人と人を結び、地域への来訪者、住民、企業・自治体などの地域に関わる全ての人にとって価値のあるスマートシティの実現を目指すと述べている。

研究対象予定エリア


(出典:東京大学 Webサイトより)

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