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自動運転を支えるヴァレオの部品

2017/10/25(水)



CO2 排出量削減のための4 つの技術分野
上記写真はいずれも人とクルマのテクノロジー展2017 のもの


─CO2排出量削減のために特に力を入れている分野は?

ソリューションとして48Vの電動リアアクスルドライブのeRADシステムを開発しています。これは、リアアクスルに48Vの電動モーターを組み込むことによって、フロントのスターター、ジェネレーターと組み合わせて電動での四輪駆動ができるようになります。それだけでなく、eRAD 48Vのみを単独で使って、タウンユースのような低速のEVを走行させることも可能です。今年のCESではレベル3の自動運転の技術と、48VのピュアEV走行を組み合わせてeCruise4Uとしてデモを行いました。
日本ではもともとストロングハイブリッドから始まり、今でも主流になっていますが、グローバルで見ると主にヨーロッパでは48Vシステムが多く採用されています。中国においてもインセンティブにより急激に48VシステムのEV開発が増えています。
48Vシステムは、ストロングハイブリッドに比べると低電圧のため回生エネルギー量は少なくなりますが、高電圧のシステムは安全対策などにコストがかかってしまいます。48Vシステムを使うことで車両への搭載が容易でコストを抑えることができ、CO2の排出量削減へ大きく貢献できると考えています。

 

直観的なドライビングの実現のための注力分野


─自動運転の分野では、レーザースキャナの量産化が大きく貢献しそうですね。

そうですね。SCALAというのが、ヴァレオがつくっているレーザースキャナの名称なのですが、世界で初めてヴァレオが量産化を行います。もともと技術の部分では、ドイツのibeo社がレーザースキャナの基本的な部分をつくっていました。そして、クルマに搭載するための小型化、量産化の部分でヴァレオの技術を生かし、SCALAという製品になりました。
これを組み合わせて周囲360度をスキャンするのが、今年の人とクルマのテクノロジー展に出した「SCALAコクーン」です。SCALAをクルマの前後左右の4カ所に付け、クルマやバイク、歩行者など周囲の障害物を検知し、収集した基礎データをもとに、ヴァレオ製のECUでフージョンすることで車両を中心とした地形イメージ図を作成します。

 

─自動運転において認知の部分は、国や地域ごとに気候や環境などが違い、地域ごとに落とし込む必要があると思いますが、その部分の研究は行われていますか?

確かに、レーダーでもレーザースキャナでも、オブジェクトの反射をキャッチするものなので、その反射の条件は天候や温度、あるいは白線のペイント塗料などにもよるところがあります。また、標識など文字が入るとその国特有のものになるので、その部分は地域ごとに考えていかなければいけません。
日本では、つくばテクノロジーセンターをオープンして、自動運転やADAS専用のテストコースを整備しています。日本の市場を再現し、完成車メーカー向けの試験を主にやっています。そのテストコースでは、SCALAコクーンを搭載した実車があり、6個のSCALAを搭載しています。4個でも360度検知することはできますが、クルマの近くの死角が少なくなるため6個搭載しています。この部分は今でもさまざまな議論があります。

 

─テストコースはグローバルにあるのですか?

ビジネスグループごとにさまざまなテストコースを持っています。例えばライティングのテストコースでは、真っ暗な状況を用意したりする必要があります。自動運転に関するものであれば、大きいところではドイツのビーティッヒハイム=ビッシンゲンとチェコのプラハにあります。

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