長野県原村、「のらざあ」を活用したAI乗り合いデマンド交通サービス開始
2022/11/9(水)
長野県原村(以下、原村)は、長野県茅野市(以下、茅野市)で運行中の交通サービス「のらざあ」を活用し、AI乗り合いデマンド交通サービスを開始する。Via Mobility Japan株式会社が10月31日付のプレスリリースで明かした。
「のらざあ」は、トランジット・テック分野で革新的な技術を推進するVia(ヴィア)のソフトウェアを活用した交通サービスだ。同じ方向に向かう複数の乗客をマッチングし、一つの車両を複数の乗客で共有する。さらに、Viaのアルゴリズムを活用して最適なルーティングを行い、既存の定時路線バスよりも柔軟で効率的な移動を可能にした。茅野市では、8月22日に「のらざあ」の運行を開始している。原村では、「のらざあ」の実証運行を2023年3月まで実施する。この実証運行では、地方都市の地域のニーズにあった交通モデルの実現方法を検証する。そして、個人所有の自家用車に依存せずに、どこからもアクセスしやすく柔軟に利用でき、人々に平等で持続可能な交通とは何かを問う予定だ。
なお、同村は、複数自治体のMaaSのシステム連携による広域的な公共交通の構築、および既存の公共交通とのシームレスな移動を目指す。これにより、村内外のさまざまなスポットへの能動的な移動を可能にし、人流を生み出すことで観光地や村のにぎわい創出を期待しているという。
▼関係者のコメント
■原村長 五味 武雄氏のコメント
「従来の定時定路線の運行開始から約10年が経とうとしており、当村における課題もさまざまな形に変容してきております。中でも、別荘地域などへ居住された方の移動手段の確保は喫緊の課題の一つと言えます。本実証運行におけるAIオンデマンド交通の導入は、そうした方々への新たな交通手段の提供と、従来の路線バスでは補いきれない公共交通空白地帯の解消に繋がる可能性が高いと考えております。茅野市の公共交通「のらざあ」と共同で実証運行することで、将来的に一体となった広域的な公共交通の実現性が高く、複数自治体の連携促進のひとつの例として重要な取り組みだと考えております。」
■Via Mobility Japan日本代表 加藤忍氏のコメント 「今回の原村での取り組みは『のらざあ』を次のステージに進める革新的な取り組みと捉えています。当社が原村、茅野市とそれぞれパートナーシップを築き、自治体の区分を跨いで共同の交通サービスが実現することは国内の地方都市の交通課題により広範囲にアプローチするモデルケースとなる取り組みと考えています。移動の自由によって地域にお住まいの方々のライフスタイルに変化をもたらし、より豊かにするお手伝いが出来ることを目指して行きたいと思います。」