ウーブン・アルファと三菱ふそう、自動地図生成の共同研究を開始
2021/6/24(木)
ウーブン・アルファ株式会社(以下、ウーブン・アルファ)は6月23日、三菱ふそうトラック・バス株式会社(以下、MFTBC)との共同研究を開始すると発表した。研究内容は、ウーブン・アルファが開発する自動地図生成プラットフォーム(Automated Mapping Platform、以下、AMP)だ。
ウーブン・アルファは、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)子会社ウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社(以下、ウーブン・プラネット)のグループ会社だ。同社は、いすゞ自動車株式会社、および日野自動車株式会社と、AMPの活用に向けた検討を進めていくことで合意している。先進運転支援や自動運転において、カーナビゲーション用の地図情報が使われてきた。しかし、この方法では地図情報の更新頻度・精度の問題から、精度の高いアプリケーション開発の難しさが課題となっている。
さらに、道路や車線、信号や道路標識などに何らかの変更があった場合には、速やかにその変化を検出し、地図に反映する必要がある。今回共同研究するAMPでは、道路を走行する一般車両からのデータや、衛星・航空写真のデータ等を使って高精度地図を生成する。これにより、費用を抑えながら地図の更新頻度やカバレッジを向上させ、これらの課題を解決することを目指す。
両社は、今回の共同研究において、既に10以上の実証項目を検討しているという。まずは、大型トラックの安全運転支援における高精度地図の効果や課題の検証する。
AMPの高精度地図をMFTBCが開発するカーブ進入時速度超過警報装置(Entering Curve Speed Warning、以下、ECSW)を搭載した大型トラック「スーパーグレート」を走行させる。AMPをECSWに実装し、車両の状態に応じて適切なタイミングでドライバーに急カーブへの進入を予告し、安全な速度までの減速を促す機能を検証する。
道路や車線の状況を予測する機能は、商用車による事故を防ぐために特に重要な機能だ。AMPをセンサー情報として活用し、システムの冗長性とドライバーの道路状況認識を高め、商用車の安全性の向上を目指すと述べている。
■ウーブン・プラネットAutomated Driving Strategy and Mapping Vice Presidentであるマンダリ・カレシー氏のコメント
「商用トラックとバスのメーカーであるMFTBCとの共同研究に着手し、安全な商用車と物流の実現に貢献できることを大変嬉しく思います。私たちは、単に人とモノを移動させるだけでなく、ドライバーへの負荷を軽減し、人々の命を守るソリューションの提供をめざしています。低コスト、高精度、自動かつ高頻度での地図更新を可能にするAMPの開発を通し、グローバル規模であらゆるメーカーとの協業に取り組んでいきます。今回の共同研究は商用車における安全性を最大化させるための取り組みであり、今後もAMPを用いてパートナーと協業することで、更なる価値を提供していきます。」
■MFTBC副社長 開発本部長である安藤 寛信氏のコメント
「当社は、高度運転支援技術、またその先に位置する自動運転技術を、商用車のさらなる安全を実現する、非常に重要なものと位置付けています。これらの技術が近い将来、欠かせないものとして広く浸透することを信じ、日々開発に取り組んでいます。ウーブン・アルファのAMPは、その重要なピースとなる可能性を秘めています。同社との共同研究は、相互にメリットの大きいものと信じており、双方の知見を最大限に交わしながら、さらに安全な社会をつくるため、歩みを進めてまいります。」
(出典:トヨタ Webサイトより)