自動でエレベーターに乗る配送モビリティ　日本郵便らが実証

2020/3/13(金)

日本郵便株式会社(以下、日本郵便)は、日本郵便本社・大手町プレイスウエストタワーにおいて、配送ロボットを用いた自動配送の実験を行った(3月3～4日に実施)。本日、実験に参加した株式会社Drone Future Aviation(以下、DFA)が開催報告を行い、実験に用いた配送ロボット「YAPE」の概要についても併せて発表した。

実験は配送ロボットによる社内便配送の試行を目的に実施。ラストワンマイル配送での配送ロボットの活用、ひいては省人化を実現するための取り組みだ。

実験に用いた「YAPE」は、イタリアに本拠を構える同名の企業が開発した配送ロボットで、国内ではDFAが国内独占取扱権を持っている。DFAの発表によると、オートナビによるフロア間のルート設定や、インターネットを介したエレベーターとの連動も可能。ロボットからエレベーターへ、扉の開閉や指定階の指令を出し、異なるフロア間の移動をすべて自律走行する。加えて、音声による周囲とのコミュニケーション機能も有しているという。

今回エレベーターとの連動について検証したのは、マンションやビル等といった立体的な移動が必要な実環境での利用を想定しているためだ。日本郵便とDFAのほか、エレベーターメーカーとして株式会社日立ビルシステム、株式会社日立製作所も参加した。

(1)社内便をメールセンターで積み込み、(2)配送ロボットがエレベーターを呼び出し、オフィスフロアの指定場所へ移動、(3)メールで到着通知を送信して荷物の受け渡し、(4)再びセンターへ戻る。この一連のルートを自律して実施。今後は、エレベーター連動のほか、屋内環境での配送ロボットによる荷物等の輸配送実現に向けた取り組みを進めていくとしている。