旭化成、最新コンセプトカーで”居住空間の延長線上”の活用を提案【CES2023】
2023/1/14(土)
旭化成グループは、米国ラスベガスで開催されたCES2023において、最新コンセプトカー「AKXY(アクシー)2」をはじめ、「Mobility」と「Home Living」分野の関連技術を中心とした高付加価値素材・技術を展示した。
EVや自動運転の普及を見据え、モビリティ空間の拡張を
今回、同社ブースの目玉は、最新コンセプトカー「AKXY2」だ。同車は、Sustainability(持続可能なクルマづくり)、Satisfaction(クルマの満足度向上)、Society(社会とクルマのつながり)という 「3つのS」をコンセプトに開発され、日本家屋の縁側をイメージした開放的なデザインを施した。車としての用途はもちろん、“居住空間の延長線上”をポイントに掲げ、在宅勤務用の個室、友人とのコミュニケーションなど、さまざまな用途での活用を想定している。ほかにも、以下のようなモビリティに関わる高付加価値素材を展示した。
飲酒運転を防ぐアルコール検知センサー 非接触で呼気に含まれるアルコールを検知できるハンドル型センサーのデモ機を展示。センサーとエンジンを連動させ、アルコールが検知されるとエンジンが停止するシステム「アルコールインターロック」との活用も可能だ。
車内置き去り防止システム 車内で乳幼児が閉じ込められ、熱中症で死亡する事故が日本を含め全世界で問題となっていることを受け、開発したシステム。シートの布地に内蔵されたセンサーによる呼吸・心拍の検知と、ミリ波レーダーによる人体感知という2種類のソリューションを展示した。
ロードノイズキャンセル技術 EVや自動運転が普及した未来では、車内での快適性のニーズが高まるとして開発。車内でのコミュニケーションやエンターテインメントをより楽しめるように、走行中のノイズを低減する技術となっている。
自律型ロボットと暮らす未来のスマートホーム
「Home Living」分野では、旭化成のグループ会社である旭化成ホームズが提供する「スマートクローク・ゲートウェイ」を海外で初めて展示した。同製品は、セキュリティレベルを設定できる中間領域(クローク)を住宅内で設けることで、宅配物の受け取り・発送ができるシステムのこと。このシステムを導入することで、置き配した際にリスクとなる宅配物の盗難・空き巣を防ぐことが可能だという。
また、自律型移動ロボットを開発する株式会社Preferred Roboticsとともに、ロボットが宅配物を受け取り、自動で居住空間に運ぶというデモもCES期間中に開催した。
ほかにも、指輪型インタフェース、腕時計型体温モニタリングセンサー、歩行時に発生するARグラス搭載カメラのブレによる視覚不快感や性能低下を想定したカメラブレ低減技術など、AR・VR向けソリューションも多く展示した。