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トヨタら実施の事業支援活動に東大大学院らが賛同 連携協定締結

2022/3/15(火)

東京大学大学院工学系研究科、東京工業大学、名古屋大学は、Innovative Technology Acceleration Platform(以下、ITAP)に賛同し、「技術インキュベーションにおける連携に関する基本協定書」を締結した。トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)が3月14日付のプレスリリースで明かしている。

カーボンニュートラルに向けた取り組みやデジタルトランスフォーメーションの進展など、社会が今までにないスピードで変化を続ける中、革新技術への期待はかつてなく高まっている。また、既にデジタル領域で起こっているような、産業の枠をこえた技術の融合も、ますます重要になりつつある。

そうした中、優れた技術シーズを社会に実装し、経済的な価値につなげ、イノベーションの源泉である新たな技術に再投資する。そのような大きな循環を作り出していくことが、これまで以上に求められている。

ITAPは、株式会社先端技術共創機構(以下、ATAC)、およびトヨタの実施している支援活動だ。日本における優れた技術の研究開発や社会実装に貢献すべく、2021年5月より共同で開始している。ATACが有する大学や研究機関とのネットワークや技術インキュベーションの知見と、トヨタが持つTPSをはじめ、ものづくりで培ったナレッジやネットワークとを融合させる。そして、革新技術の探索~社会実装・事業化それぞれのフェーズにおいて、即断即決で支援できる機動性の高い活動を目指す。

また、同活動では、大学をはじめとする研究機関や技術系スタートアップ企業を支援の対象としている。カーボンニュートラル、マテリアル、ロボット、人間拡張、エネルギー、半導体、AI・デジタルなど、幅広く革新的な技術を探索し、社会実装・事業化の支援を進めていくという。

ATACは、先端技術のハンズオンインキュベーション会社として、今後も、技術の可能性を見出し、IGPIグループの産業界とのネットワークもフルに活用する。そして、その技術の研究・開発、そして社会実装・事業化を行っていくという。

また、トヨタは、モビリティの枠を超えた領域においても、これまで以上に幅広い大学・研究機関等のパートナーと先端技術研究を進める。これにより、「幸せの量産」を目指していくと述べている。

▼関係者のコメント
■東京大学大学院 工学系研究科・研究科長 染谷 隆夫氏のコメント
工学部・工学系研究科は、社会課題の解決とそれを担う高度工学人材の育成に貢献するため、産業界との連携を積極的に進めています。ATACとトヨタが進めるITAPの活動には期待しており、ITAPとの連携を通じて、工学知の価値創造をさらに加速していきたいと思います。

■東京工業大学 学長 益 一哉氏のコメント
産学がお互いの知見を活かしたインキュベーション活動を展開してくためには、具体的なケースを積み上げていく実行力が重要だと考えています。先端技術の事業化にノウハウを持つATACと幅広い領域で事業化を牽引するトヨタが、ITAPを通じて、このインキュベーション活動を積極的に推進していくことを期待しています。

名古屋大学 学術研究・産学官連携推進本部・本部長 佐宗 章弘氏のコメント
スタートアップ支援におけるアカデミアの役割は、起業家育成教育と研究シーズを活用したベンチャー創出の支援と捉えています。そうした状況において、研究のシーズ段階から「先端技術の研究支援」と「社会への実装支援」の観点でリーチし、各種サポートを行うITAPの活動には、新しい形態での産学連携として非常に期待しています。

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