ニュース

AZAPA、新たなモビリティ開発ソリューションを提供開始 感性の定量化を行う

2020/3/31(火)

AZAPA株式会社(以下、AZAPA)は、乗り心地や加速感など、従来数値化できない定性的な評価であった官能的性能について、評価軸を定量化する「感性開発ソリューション」の提供を開始すると発表した。この「感性開発ソリューション」はモデルベース開発を前提に構築されたもの。企画段階から性能・機能の設計が出来る(開発のフロントローディング化)ようになるため、開発効率の向上やコストダウン、開発競争力の向上が期待できるという。
AZAPAの発表によると、今回の「感性開発ソリューション」は、時代のニーズに応え、あらゆる機能・性能を想定した開発に貢献するものだとしている。背景には、CASEに代表される技術革新によってモビリティの価値・使われ方が多様化し、モビリティが担保する機能や性能の対象者は車両や乗員のみならずモビリティサービスの消費者にまで広がっていく流れ。そして、その拡大・変化はこれまでの開発領域を大きく拡張させるという同社の展望がある。

■感性モデルが求められる時代背景

(1) CASEを背景に、求められるモビリティ性能が変化
自動運転やシェアリングによって、これまでドライバー中心であった車両性能がパッセンジャー中心に変化していくとAZAPAは指摘している。ドライバー中心の車両性能では、「運転を楽しむ」「安全に運転できる」といった性能や機能が重視されてきた。しかし、運転タスクから解放されてパッセンジャー中心になると、進行方向に対して危機を予測し自然と回避対策を取る「回避予測」が行われず、不測の事態に対して今まで以上に無防備になる。そのため、乗車中の人々の心理状態や身体反応を詳細に読み解き、その場の状態に合った最適な車両制御が求められる。

また、MaaSを見据えると、自動運転によって商品のデリバリーがモビリティ単独で行われるようになり、モビリティの役割と責任が「販売員そのもの」に変化する可能性がある。こうした場面において、新たなモビリティ開発では、多様化する車両性能を踏まえ、モビリティがどう使われるかに応じた「性能の取捨選択」が求められる傾向が進んでいる。

(2) 従来の官能評価の難しさ
従来の官能的性能の開発では、「匠」の存在が不可欠だ。テストドライバーや開発のチーフエンジニアが実車両での性能フィーリングを確認し言語化、車両開発エンジニアが長年の経験でそのニュアンスを汲み取り、何度も修正しながら作り上げてきたという。しかし、従来の手法では開発のスピード感に問題が残り、また、チーフエンジニアの感性と異なる感性の車両は作れないという問題がある。このような開発のジレンマを解消するためにも、感性を定量化し、数字で検討できる「感性モデル」による定量的な開発が重要になる。

■AZAPAの感性開発ソリューション

(1)「感性モデル」を用いたAZAPAの性能設計

AZAPAは、モデルベーステクノロジーを基盤に「性能シミュレーション」を用いた性能と機能の設計手法を確立し、フロントローディングを実現する性能設計プロセスを定義している。システムを細分化し、交換可能な単位で分割されたブロックを有機的に組み合わせることで新たな性能・機能をシステム全体で理解でき、システム全体の最適なバランス解を導く。

更に、ここに定量化した感性を「感性モデル」として組み込むことで、従来開発では製品が出来上がってからしか検討できなかった感性についても、開発の初期段階から設計要件に組み込むことが可能となったという。

(2)感性モデルは、人の五感と性能の相関性を紐解くもの
車両性能によって発生する振動や音、ドライバーの操舵感は、人の身体の状況に変化をもたらす。更に、その身体変化によって人は五感で様々なフィーリングを感じる。感性モデルは、そのようなフィーリング変化や身体の変化と車両性能との相関性を紐解き、定義するものだとしている。
運転感性の応答チャート(例)

運転感性の応答チャート(例)


(3)リアルタイムで計測した感性を忠実に再現する、AZAPAの独自技術
感性はその感性を生み出すシーン・シチュエーションと常にセットであり、その瞬間瞬間で感じては消えてしまうため、リアルタイムでの計測が重要になる。そしてリアルタイムで感性を計測するためには、コネクテッドの技術が不可欠だ。コネクテッド技術によって現在の車内外における状況変化をリアルタイムで把握、乗員の感性と統合する。動的な外的変化と車両走行の変化、乗員の感性変化との相関性を分析し、ドライバーやパッセンジャーの車両走行への期待などをデータ化することで、個々人の性格・特性を踏まえた安全な車両制御を構築することが可能となるという。

AZAPAは、実際の走行時にリアルタイムで計測した実路の路面状態や振動、車両の様々な状態、ドライバーやパッセンジャーの感性を紐解くシーントラッキング(外部環境)、乗員の身体状況から読み解く感性変化等のデータを計測プラットフォームへ蓄積し続けているという。このデータを活用し、実際に走行するシーンを忠実に再現することで、実路走行ができない状況下においても正しく性能を計測する技術も保有しているとのことだ。

ログイン

ページ上部へ戻る