ダイムラーのベンツ・エネルギーと北京のEV大手「北京新能源汽車」が、EVバッテリーの二次利用で提携
2019/8/9(金)
ダイムラーは、傘下のMercedes-Benz Energy社(以下「ベンツ・エネルギー」)と、北京のEV大手である北京新能源汽車股份有限公司(Beijing Electric Vehicle Co., Ltd. 以下「BJEV」)と、エネルギー・ストレージ・システムの分野において提携すると発表した。
両社は、BJEVの廃棄EVバッテリーを活用し、北京でセカンドライフ・エネルギー・システム(※)を構築する計画。これは初めての試みだ。この提携により、持続可能な再生可能エネルギー開発の基礎を築きながら、EV用バッテリーシステムのバリューチェーンに関する専門技術と資源を統合する。※2nd life energy system:EVの廃棄バッテリーを活用するエネルギー貯蔵システム。
BJEVは、中国政府が普及を後押しするNEV(新エネルギー車)の開発プラットフォームとして、2009年に北京汽車グループ(Beijing Automotive Industry Holding Co., Ltd.略称「BAIC」)が設立した子会社であり、現在中国のEV大手メーカーの一つだ。世界最大のバッテリー・プールを形成したことで、システムの構築に幅広い可能性を提供する。また、BAICは2016年に、セカンドライフ・エネルギー・システムに関する研究を行うためにBeijing Articore Battery社を立ち上げ、通信基地局、高速道路での再生可能エネルギーステーション、モバイルエネルギー貯蔵ユニットの研究に携わっている。また、ベンツ・エネルギーはダイムラーAGの子会社として、2016年からエネルギーの貯蔵に関するソリューションの開発を担当している。2019年3月、ダイムラーがBJEVに出資することによって、子会社として海外進出の道が開かれた。
ベンツ・エネルギーは、いままで両社が行ってきたさまざまなテストとシミュレーションに基づき、近いうち、EVバッテリを活用したエネルギー貯蔵ユニットを用いて、中国の電力系統における電力変動や停電管理でいかに効率的かつ持続的にサポートするのかを実証する予定だ。