「チョイソコとよあけ」が示す、新しい地域交通の作り方 ― 住民と自治体と事業者の参加型プラットフォーム (後編)
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2020/2/19(水)
都市部と地方、観光地など、その地域事情ごとにMaaS化が進んでいる。特に地方では、運転能力の低下によって、自家用車の運転が困難になり移動手段をなくしてしまう高齢者が増加する反面、担い手となるべき既存公共交通は十分に発達できておらず、さらに財政難や運転手不足などによって衰退しつつあるなど、「交通難民」の増加が深刻化している。自治体が運営するコミュニティバスの維持が容易ではないと言われる中で、無償の実証実験から有償サービス化し、地域に根づきつつある乗合送迎サービスがある。アイシン精機株式会社(以下、アイシン精機)と株式会社スギ薬局(以下、スギ薬局)が愛知県豊明市で進めている「チョイソコとよあけ」の取り組みを取材した。
(前編はこちら)
現場重視で地域の課題に向き合う
愛知県大府市に本社を構えるスギ薬局は、チョイソコ事業の立ち上げ時期から企画・推進パートナーとして連携している。スギ薬局では2017年3月頃から高齢者向けの買い物支援施策として、宅配や移動店舗、送迎サービスなどの検討を始めていたという。2017年11月にアイシン精機と事業アライアンスを締結、協業によって高齢者を中心とした人々の健康維持・増進を目指したチョイソコ事業を開始した。株式会社スギ薬局経営企画室課長でチョイソコプロジェクトメンバーの山下哲矢氏にアイシン精機との連携理由を尋ねると、山下氏は「交通難民の支援という“課題”と“3現(現場・現実・現物)を基に物事を考える”仕事に向き合う姿勢“、そして最後は“熱意”」の共有ができている点を挙げ、「私たちもアイシン精機さんも、とにかく現場を重視します。お客様のお声を直接自分の耳で聞き、心に寄り添い、自分たちの口でお客様に直接話すんです。もちろん、エリアスポンサー様や既存の交通事業者様たちに対しても一緒です。そうやって初めて本当に必要とされているものが何か、がわかります」と語った。
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