福島・大熊町で「共助型移動支援サービス」の実証実験開始 電脳交通らが参画
2020/12/1(火)
株式会社電脳交通(以下、電脳交通)は、独立行政法人都市再生機構(以下、UR都市機構)が支援する大熊町(福島県双葉郡)の復興事業の一環で、新しい交通システムである共助型移動支援サービスの実証事業に損害保険ジャパン株式会社(以下、損保ジャパン)とともに参画し、移動支援サービスに必要な運行システムの提供と運行管理支援を提供すると発表した。
今回の実証実験では、循環バス停までの移動が困難な人や、バスが運行していない時間帯での移動が必要な人に対し、共助・互助による交通利便性を向上させることを目的に掲げ、大熊町共助型移動支援サービスを検討する。大熊町内で必要な移動がバス・タクシー事業によって提供されない場合に、町内在住者などが自家用車を用いて、町民に対して運送支援を行う。運行エリアは大熊町内(立ち入り許可が必要な区域は除く)で利用料金は無料。
大熊町は事業主体、UR都市機構は事業統括・事業支援、電脳交通は運行システム提供・その他運行管理支援、損保ジャパンは移動支援サービス専用自動車保険の提供など、それぞれの役割を担う。
福島県大熊町は、東日本大震災に伴う福島第一原発事故により全町域に避難指示が出され、現在でも県内外で避難生活を送っている。昨年4月10日には大川原地区及び中屋敷地区の避難指示が解除され、復興に向けた取り組みが進んでいる。
電脳交通は今回の事業について、同社が1年以上前から全国各地で展開している「地域交通ソリューション」の一環となる取り組みとしている。これまで同社が培った自家用有償旅客運送向けシステムを活用し、当初は民間ドライバーによる無償輸送の実証実験として実施する。将来的に地域のタクシー事業者が運行管理を担い、有償輸送を提供していくことも見据えて運用支援を行う。