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デンソー、米航空機メーカー・ハネウェルと協業 電動航空機用システム開発

2021/5/26(水)

ハネウェルとの共同開発品

株式会社デンソー(以下、デンソー)は5月24日、アメリカに本社を構えるHoneywell International, Inc.(以下、ハネウェル)と、電動航空機用推進システムの事業においてアライアンス契約を締結し、共同事業を開始すると発表した。

今回の共同事業では、電動航空機用推進システム製品の開発・設計、生産、販売、およびアフターサービスが対象だ。両社は、まずエアタクシーや貨物機などの都市型エアモビリティ分野に注力する。すでにユーザーとのプロジェクトを進めており、2022年に電動航空機用推進システムの試験飛行を実施するという。

昨今、MaaSの進展によりモビリティが多様化する中で、都市部での渋滞や、それにより発生するCO2、過疎地での交通網の確保といった課題の解決策として、新たな空のモビリティである電動航空機が注目されている。電動航空機は、静かで快適性に優れるだけでなく、CO2を排出しない環境に優しい次世代モビリティだ。

デンソーは、2035年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言し、その実現に向けて「モノづくり」「モビリティ製品」「エネルギー利用」の3つの領域全体でカーボンニュートラルに取り組んでいる。特に「モビリティ製品」においては、全モビリティの電動化を見据えたブランド「ELEXCORE(エレックスコア)」を立ち上げ、電動化製品の普及を通じて、環境負荷の低減に貢献してきた。

今回の共同事業では、ハネウェルの航空機向け技術開発での100年以上の実績と、デンソーの約70年にわたり自動車向け技術開発で培った高い技術力を融合し、両社で電動航空機用推進システム製品であるEPUを開発する。その中でデンソーが担当するのは、航空機において最も重要な軽量化を実現し、空のモビリティの価値向上に貢献するための、独自の磁気回路を用いた高出力モーターや、内製SiC(シリコンカーバイド)を用いた高効率・高駆動周波数インバーターだ。

なお、デンソーは、自動車業界で培った電動化技術と高品質製品の量産技術を、空のモビリティに応用していくとともに、航空機事業で磨きをかけた高出力・高効率・軽量化技術を、自動車業界にも還元することで、あらゆるモビリティを通じて地球環境に貢献していくと述べている。

■株式会社デンソー 経営役員 エレクトリフィケーションシステム事業グループ長である 海老原次郎 氏のコメント

「モビリティへのニーズが変化する中で、デンソーがどのように対応・進化していくのかを今回のアライアンスの強化によって皆さまにお伝えできると考えています。持続可能な社会の実現には環境に優しい移動が必要であり、それは、2035年までにカーボンニュートラルを目指すデンソーが貢献すべき領域です。ハネウェルとの協業を通じて、環境に優しく、安心して使えるモビリティの実現を目指します。」

■ハネウェル エアロスペース事業 エンジン&パワーシステム プレジデントであるデイヴ・マリニック 氏のコメント

「ハネウェルの技術は100年以上にわたって人類の飛行に貢献してきました。デンソーの自動車技術におけるリーダーシップとハネウェルの航空宇宙分野での経験を組み合わせることで、世界中の人々がよりクリーンでスマートな方法で移動できるようになるでしょう。」

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