デンソーテン、タクシー配車システムリニューアルモデルを販売開始
2022/12/28(水)
株式会社デンソーテンは、高機能タクシー配車システム「Type-A」「Type-S」リニューアルモデルを2022年12月上旬から発売した。12月26日付のプレスリリースで明かしている。
MaaSという大きな潮流の中、タクシー業界では、スマートフォン配車アプリやネット決済、事前確定運賃など、さまざまな新サービスへの対応が進んでいる。一方、コロナ禍における経営の効率化も求められており、特に、中小規模の事業者においては、より初期費用を抑えたタクシー配車システムを求める声が多くあるという。今回発売したモデルは、同社の60年以上にわたり蓄積したノウハウを生かしたものだ。従来の配車システムの機能/操作性にくわえ、新たにタブレットやサブスクリプション方式を追加。これにより、初期費用を約30~50%(同社従来システム比)低減している。さらに、タブレットは、5年間の長期保証に対応しており、不具合時には代替品を提供する。
また、同モデルでは、従来のトランシーバー方式にくわえ、低コストかつデータ配車に適した電話方式を新たに設定できるようにした。これにより、タクシー事業者は、自分たちの使い方に合わせた通話方式を選択できる。
くわえて、同モデルはタクシーアプリ「S.RIDE」に対応しているため、専用サーバーを新たに設置することなく、簡単・手軽にアプリ配車を導入できる。タブレット1台で配車システムとタクシーアプリの両方からの注文に対応し、車室内の省スペース化・導入費用が低減可能だ。また、タクシーアプリ配車により、都市部から地方への出張者や若年層など、今までとは異なる利用者の開拓が期待できる。
さらに、今回のシステムは、タクシー事業ごとに専用サーバーを設置して配車システムを構築するオンプレミス型と、クラウドサーバーと配車システムをインターネット回線でつなぎ配車システムを構築するクラウド型から、タクシー事業者のニーズに合わせて自由に選択できる。
このほかにも、同モデルでは、「5年間無償による地図データの自動更新」、「外付GPSアンテナ+車速信号+ジャイロセンサー(オプション)による車両位置精度向上」、「IVR(音声自動応答 Interactive Voice Response)受付システムを一般回線でも可能」といった特徴がある。
IVR強制受付システムはType-Aのみオプション機能で、Type-Sでは通常のIVR受付システムに対応している。急な豪雨などでオペレーター人員を上回る注文電話の着信があった場合、取りこぼしすることなく自動的にIVR受付システムで受け付けを行い、受注~配車を自動的に完了させる。
なお、デンソーテングループは、人・モノ・モビリティなど、“移動”の困りごとを解決する「モビリティソリューションパートナー」を目指し、「環境にやさしいモビリティ社会」「安心・安全なモビリティ社会」の実現に貢献していくと述べている。