無印良品、フィンランドにて実用化を目指す全天候型自動運転シャトルバスへデザイン提供
2018/11/5(月)
無印良品を展開する株式会社良品計画は、フィンランドにおいて2020年の実用化を目指す自動運転バス「Gacha(ガチャ)シャトルバス(仮称)」に車体デザインを提供した。
Gachaシャトルバスは、自動運転技術の研究開発を行う企業Sensible 4(エスポー,フィンランド/CEO:Harri Santamala)がヘルシンキ周辺の3都市(エスポー、ヴァンター、ハメーンリンナ)のサポートを受け開発を進めている、世界初のあらゆる気象条件下でも機能する自動運転バスだ。世界中で進められている自動運転バスやロボタクシーの実用実験においては、さまざまな気象条件に対応したコントロールが大きな課題とされている。現在、世界の既存技術の多くが、比較的温暖な気候の元でテスト、開発されており、大雨や霧、雪といった気象条件の下での自動運転車両の実用化には至っていない。すべての自動運転車は、実用化の前にあらゆる気象条件での走行が可能であることを証明する必要があることは明白であるため、Sensible 4は北極圏のラップランドにて技術テストと検証を進めてきた。世界中の様々な国・地域において「感じ良いくらし」を提案する無印良品は、生活に必要な商品の販売のみならず、社会でいま起きている様々な課題に目を向けている。自動運転などの先端技術は、都市部はもちろんのこと、より少子化や高齢化が進む地方での課題解決にこそ必要と考えているが、Gachaシャトルバスは、全天候型という特長に加え、個人所有の車ではなく地域でシェアする公共交通機関としての実用化をターゲットにしている点において、無印良品の考え方と合致し、Sensible 4との共同プロジェクトを2017年よりスタートすることとなった。
使う側の立場で徹底的に考えたデザインは、前後のないミニマルでフレンドリーなかたちと、照明とコミュニケーションスクリーンが一体となったLEDのライトベルト、内装に沿ったラウンド型のベンチシートがポイントだ。
フィンランドは、法律上公道を走る乗り物に必ずしも運転手が乗車している必要がなく、自動運転車の実用実験のしやすい環境にある。今後は2019年3月に、その実働車両のプロトタイプをヘルシンキ近郊で一般公開したのち2019年上半期内を目途に、フィンランドのヘルシンキ周辺の3都市での実用試験運行を開始する予定。
Gachaシャトルバス 概要
- サイズ:
- L4.5m × W2.5m × H2.8m
- 定員:
- 16名(座席数10席、立ち乗り6名)
- 自動運転での最大時速:
- 40km/h
- 駆動装置:
- 4WD、電動
- 走行距離:
- 急速チャージにより100km以上(オプションとしてワイヤレスチャージも可能)
スケジュール
- 2019年3月 実働車両プロトタイプの一般公開(フィンランド・ヘルシンキ近郊にて)
- 2019年前半 フィンランドの3都市(エスポー、ヴァンター、ハメーンリンナ)において、実用試験運行スタート予定