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無印良品デザインの「GACHA」が実車デビュー、5月から試験運転始まる

2019/6/11(火)

全天候型自動運転シャトルバス「GACHA(ガチャ)」の実車

無印良品を展開する株式会社良品計画が2019年3月8日、北欧・フィンランドの首都ヘルシンキで全天候型自動運転シャトルバス「GACHA(ガチャ)」のワールドプレミア発表会を開催し、実働車両を一般公開およびテスト走行を行った。
自動運転技術の研究開発を行うスタートアップ企業Sensible 4はヘルシンキ周辺のエスポー、ヴァンター、ハメーンリンナの3都市のサポートを受けて、全天候型自動運転シャトルバスの開発を進めている。無印良品は2017年末よりSensible 4との共同プロジェクトに参画し、自動運転バスへのデザイン提供を行ってきた。ワールドプレミア発表会を終えて、2019年5月に実証実験を開始、2020年には実用化し、2021年にはGACHAの量産化を目指しているという。この共同プロジェクトの責任者である株式会社良品計画 生活雑貨部 企画デザイン担当部長 矢野直子氏にワールドプレミア発表会の様子や今後の展開について話を聞いた。

雪の中でのお披露目、GACHAワールドプレミア発表会

―3月8日のワールドプレミア発表会はいかがでしたか?

(矢野氏)去年12月にオープンした国立ヘルシンキ中央図書館「Oodi(オーディ)」で行いました。 当日は220名を超える方にご参加いただきまして、欧州各国の自動車関係の方々が多数来られていました。ワールドプレミア当日は、ヘルシンキ ビジネス ハブのKimmo Koponenさんの挨拶の後、ヘルシンキ市副市長のAnni Sinnemäkiさんが今後のフィンランド、ヘルシンキにおけるモビリティの進化について話してくださり、その後、無印良品のアドバイザリーボードメンバーであるプロダクトデザイナーの深澤直人さんとSensible4 CEOのHarri SantamalaさんがそれぞれGACHAについてプレゼンテーションしました。

ガチャガチャのトイカプセルを手に持って講演する深澤直人氏



深澤さんは「愛されるキャラクターのバスにしたかった」「安心して乗れるビーグルに仕立てたかった」というデザインコンセプトの説明に加えて、プロダクトを作るだけで終わるのではなく、今後どういう世界でGACHAが走っていくのかなどMUJIが考える未来についても話されました。話の途中でGACHAの紹介アニメーションを流したのですが、その映像が終わった時に、会場の皆さんが一斉に拍手をしてくださって。その光景を見ながら、皆さんがGACHAや私たちのコンセプトに共感してくださったのだと思いましたね。深澤さんの講演の後、屋外に設営したコースで、順番に出席者全員に乗っていただきました。

乗った人が笑顔になる。GACHAが生み出す、和みの空間

―実際にGACHAに試乗された方々の反応はいかがでしたか?

特に印象的だったのが、GACHAに乗り込んで、コースを1周走ってから降りる時、みんな笑顔だったことです。皆さん「すごくよかった!」「楽しかった!」とおっしゃっていました。GACHAは座席が内側を向いて、ぐるっと囲んでいて、車内空間は繭玉のような、丸みのある作りになっています。それがフィンランドサウナのような和やかな雰囲気を醸し出していて、現地の文化や暮らしにこんなにもしっくりくるとは感動しました。あとは、皆さん「静かだった」とおっしゃっていましたね。GACHAは最高で時速40km出るのですが、試乗体験は時速15〜20kmで走行しました。前日に吹雪いたためコースに雪が残っていましたが、GACHAに乗っている時に揺れはほとんど感じなかったです。

屋外に設営したコースでの試乗体験。GACHAに乗り込む人たち


―完成したGACHAを見た時、矢野さんは何を感じられましたか?

あまりにもイメージ通りに出来上がっていたので、感動を超えて、一瞬、何も考えられなくなってしまいました。それから少し間をおいて「あ!実物になっている!」と改めて実感が湧いてきました。
2017年12月にデザイン提供の依頼を頂いた時点で、すでに2019年1〜3月の間に実車のお披露目をすることが決まっていました。元々は地元の大学の学生にデザイン依頼する予定だったところを、Sensible4が突然「無印良品とやりたい!」と相当大きな舵切りをして依頼してくださったのです。その彼らの強い意気込みを感じて、こちらもやるしかないと覚悟を決めて引き受けました。スケジュールが非常に厳しかったのですが、でもなぜか「絶対にできる」という根拠のない確信はありました。ものすごい熱量で、ヘルシンキと東京で頻繁にやり取りをして進めてきたので、GACHAの実物を見た時には「本当に完成した」という感動と、こちらからのお願いもSensible4の技術担当者がきっちり聞いてくださって綺麗に仕上がっていたので、非常にいい連携ができたと思いました。

双方の強みを生かしたコラボレーション

―連携がうまく行ったポイントはなんでしょう?
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