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5G活用の自動運転バスを前橋市で公道実証 複数台遠隔監視も実施

2022/2/17(木)

公道を走行中の実証車両(写真左)
管制室(CRANTS内、写真右)

一般社団法人 ICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構(以下、TOPIC)、国立大学法人群馬大学(以下、群馬大学)、日本モビリティ株式会社(以下、日本モビリティ)、日本電気株式会社(以下、NEC)は、群馬県前橋市においてローカル5Gを活用した複数台の遠隔監視を含む自動運転バスの公道実証を2月21日から27日まで実施する。NECが2月14日付のプレスリリースで明かした。
同実証は総務省事業である令和3年度「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」の委託を受けたものだ。前橋市で自動運転実証「ローカル5Gを活用した遠隔型自動運転バス社会実装事業」として、自動運転バスの社会実装を目指し実施する。

昨今、少子高齢化の進行や都市部への人口集中などに伴い、地方では公共交通機関が縮小するなど地域ごとの公共交通サービスの格差が進行している。さらに、肉体的・精神的に負荷のかかるドライバーの人材不足も社会的に大きな課題になっている。

こうした中、前橋市では持続的な公共交通インフラの供給に向けて、2022年度に自動運転バスを社会実装するための取り組みを2018年から推進しており、2020年度はキャリア5Gを活用した自動運転バスの運行の公道実証を実施した。2021年度もこの取り組みの一環として、ローカル5Gをはじめとする先進技術を活用し、自動運転バスの実用化に向けて実証を行い、その成果やノウハウを生かして実運用を目指す。


同実証では、公道での自動運転の評価検証、遠隔監視システムの検証、自動運転バスの遠隔操作を行う予定だ。自動運転の評価検証では、高速・大容量・低遅延であり専用網として使用できるローカル5G設備を中央前橋駅に設置することで、周辺をローカル5Gエリア化する。そして、群馬県前橋駅から中央前橋駅までの区間(約1km)で自動運転の評価検証を行う。

遠隔監視システムの検証は、NECのAIベースの映像配信技術と映像分析に基づくアラート通知技術を活用する。これにより、1名のオペレーターによる複数台の自動運転バスの効率的な監視が可能だ。自動運転バスの遠隔操作は、群馬大学研究・産学連携推進機構次世代モビリティ社会実装研究センター(以下、CRANTS)が同センター内の試験路にて実施する。目的は、自動運転バスの社会実装をより意識し、複数台運行のための仕組みの検証だ。

また、同実証では、隣接する周波数帯やローカル放送など地域独自で使用する周波数帯、キャリア5Gなどと干渉しない仕組みとして必要なモデルを作成するために、電波伝搬モデルの精緻化を実施する。これは、前橋市と同様の課題を持つ他の地域でも問題なくローカル5Gを活用した自動運転を実施できるようにするためだ。

さらに、同実証では、限定したエリアでのレベル4自動運転(完全自律型自動運転)の社会実装を想定し、日本中央バス株式会社の通常運行のバスとして利用者を乗せて行う。公道走行時にCRANTSの遠隔管制室から遠隔監視することで完全自動運転を行うが、ドライバーが乗車し、緊急時にはドライバーの判断で手動運転に切り替えることで安全性を担保するという。なお、TOPIC・群馬大学・日本モビリティ・NECは、公道実証などで実績を積み重ね、今後は他地域も含め自動運転の社会実装に向けて、安全・安心なまちづくりを目指すと述べている。


(出典:NEC Webサイトより)

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