半導体大手インフィニオン、XAINと協業 自動車ブロックチェーンで決済取引など実現へ
2018/10/26(金)
2018年10月25日 ーミュンヘンで行われた初のインフィニオン自動車サイバーセキュリティフォーラムで、ベルリンのブロックチェーンベンチャーXAINはミュンヘンを拠点とする大手半導体メーカーインフィニオンテクノロジーズと覚書を締結し、XAINの技術をインフィニオンテクノロジーズのマイクロコントローラに直接統合し、自動車部門向けのブロックチェーン技術実装に向けて協力すると発表した。
これらの企業は共に、XAINのAIとサイバーセキュリティテクノロジーとインフィニオンテクノロジーズのハードウェアテクノロジーのサービスを受ける自動車アプリケーションの共同開発、テスト、マーケティングを行い、コネクテッドカーのプライバシーなどのニーズに対応することを目指す。■ブロックチェーンが実現する新しい自動車技術
ブロックチェーンの概念を自動車技術に適用し、XAINが提案する委任アクセスフレームワークと組み合わせることで、これまでにない機能性を実現することができる。自動決済取引、キーレスビークルアクセス、フレキシブルカーシェアリング、そして価格決定のために顧客運転行動データを活用するイントランクデリバリーやテレマティック保険などのオンデマンドサービスが含まれる。これらのサービスは、ユーザーがマシンデータや機能の特定の部分に柔軟にアクセス権を付与できるようにすることで有効化される。■ブロックチェーンとAIの組み合わせによる可能性
XAINは、AIとブロックチェーンネットワーク経由でアクセス権のデリゲーションを組み合わせることで、さらに一歩先を行く。車の機能へのアクセス権に関する決定は、データを保存することなく、AIアルゴリズムによって行うことが可能だ。eXpandable AIネットワークを通じて、ローカルAIアルゴリズムはユーザーのプライバシーを損なうことなく互いがラーニングすることができる。AI対応センサーによるドライバー認識はその一つの例と言える。これにより、AIは車内でドライバーを認識し、インフィニオンのAURIX(TM)マイクロコントローラは自動車所有者または認可されたユーザーを自動的に識別し、車両の機能にアクセス権限を付与する。ブロックチェーン技術で、AIとマイクロコントローラのアクセス権の安全な割り当てと、正しい実行のチェックを可能にしている。■インフィニオンテクノロジーズのAURIX(TM)とは
インフィニオンテクノロジーズのAURIX(TM)は、車載ブロックチェーン機能をサポートする一連のマイクロコントローラをすでに提供している。すべてのAURIX(TM)第2世代マイクロコントローラは、最高レベルのEVITAセキュリティ標準統合ハードウェアセキュリティモジュール(HSM)に基づいている。このアプローチでは、暗号機能と独自のファイアウォールで保護されているマイクロコントローラ内の特別なコンピューティングおよびストレージユニットを活用している。HSMは、ブロックチェーンネットワーク内の車両を識別するのに役立ち、操作(ハッシングやデジタル署名など)を迅速かつ確実に実行することができる安全なデジタルキーストレージを提供する。インフィニオンテクノロジーズのOPTIGA(TM)TPMなどの認定セキュリティコントローラを使用することで、物理的攻撃からより高度な保護を実現することができる。