岩谷産業ら、廃プラスチックを活用した低炭素水素製造に関して合意
2022/12/15(木)
岩谷産業株式会社(以下、岩谷産業)ら3社は、廃プラスチックガス化設備を活用した低炭素水素製造に関して、愛知県名古屋港近郊での協業を検討する基本合意書を締結した。12月12日付のプレスリリースで明かしている。
同事業は、2021年12月に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/水素製造・利活用ポテンシャル調査」に採択され、調査を進めていたものだ。その調査により、中部圏においては、廃プラスチックの回収・水素製造・利活用のポテンシャルが高いことが明らかになった。このような背景から、岩谷産業、豊田通商株式会社(以下、豊田通商)、日揮ホールディングス株式会社(以下、日揮HD)の3社で低炭素水素製造に向けた協業検討を行う。今回の基本合意書の締結により、早期に基本設計業務を開始し、2020年代中頃での水素製造開始を目標として取り組んでいく予定だ。
また、廃プラスチックを活用することで、脱炭素社会の実現に向け水素を安定的かつ安価に供給することができる。これにより、CO2排出量の削減が急務となっている発電所や各種モビリティ、港湾設備などにおける水素の利用促進、工場の脱炭素化が可能になる。
予定されている水素製造能力は1.1万t/年(廃プラスチック回収量8万t/年)だ。さらに、製造する水素の低炭素性は、天然ガスからの水素製造と比較し、温室効果ガス排出量の85%削減が期待されている。
なお、3社は、同協業を通じて、水素エネルギー社会の実現に向けて水素のさまざまな分野の活用を推進し、脱炭素社会の実現や資源循環の促進に貢献していくと述べている。
(出典:岩谷産業 Webサイトより)