JR東日本、新幹線でスマートメンテナンス開始 効果的な線路の修繕へ
2022/12/15(木)
東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)は、「レールモニタリング車」(2023年度から導入予定)と、「線路設備モニタリング車」(2024年度から導入予定)により、新幹線におけるスマートメンテナンスを開始する。12月13日付のプレスリリースで明かした
新幹線の安全安定輸送には、線路の健全性を確認するため、技術者の目視による線路点検や検査が必要不可欠だ。同社は、これらを装置によるモニタリングに置き換え、新しい仕事の仕組みであるスマートメンテナンスを実現する。これにより、線路点検などの安全性、品質、生産性向上を図ると同時に社員の働き方改革を推進する。「レールモニタリング車」は、従来の約2倍の測定速度でレール状態を総合的にモニタリングする新幹線専用の保守用車だ。さらに、超音波によるレール内部の傷の発見、レール表面の凹凸や摩耗などのレール状態を総合的に把握することができる。レール状態の測定速度としては国内最速だ。
一方、「線路設備モニタリング車」は、線路設備の状態についてモニタリングすることを目的とした新幹線専用の保守用車だ。線路設備の種類に応じて3種類の装置を搭載し、線路点検や検査に活用する。新幹線全体の線路点検や検査にモニタリングデータを活用する仕組みの実用化は国内初だ。
JR東日本は、高精度なデータ測定とデータ処理により、これまで技術者が実施してきた線路点検や検査、工事調査をスマート化(DX)して、業務全体の生産性向上を図り、より効果的に線路の修繕をするという。
具体的には、技術者の目視による線路点検を約50%削減するとともに、検査を高頻度(最大12倍)に実施する。そのビッグデータを分析することで、劣化予測の精度向上が可能となり、CBM※ を実現する予定だ。なお、データ測定およびデータ処理は、JR東日本グループの株式会社日本線路技術が担当するという。
※ ConditionBased Maintenance、設備状態に応じて最適な時期に補修を行うメンテナンス手法。(プレスリリースより)
(出典:JR東日本 Webサイトより)