JR東日本、日産リーフのバッテリーを踏切保安装置に再利用
2021/2/15(月)
JR東日本は、環境問題への取り組みの一環として、フォーアールエナジー株式会社(以下、4R)が提供する電気自動車の再生バッテリーを、踏切保安装置の電源へと活用するべく試験を進めている。同社は9日、その取り組み内容について発表を行った。
JR東日本では、踏切がメンテナンス作業時などの一時的な停電時にも動作を継続できるよう、踏切の制御を行う全ての保安装置にバッテリーを設置している。現在進めているのは、この保安装置に電気自動車の再生バッテリーを活用する取り組みだ。再生バッテリーを提供するフォーアールエナジーは日産と住友商事の合弁会社。使用する再生バッテリーは、日産自動車のリーフに搭載されていたバッテリーを再製品化したものだ。なお、安全認証「UL1974」(米国の第三者安全科学機関ULが定めている電池の転用に関する評価規格)を世界で初めて取得している。
これにより、従来のバッテリーに比べて短時間でフル充電が可能となり、長期間使用できるためコストダウンにもつながる。また、バッテリーの劣化を事前に把握することが可能となるため、より適正な取り替え計画を立てることも可能だ。
さらに、バッテリー製造時に発生する温暖化ガスの低減やコバルト、ニッケルといったバッテリー資源の効率的な使用を促進することで、環境にやさしい電源装置の活用を実現できる。
今後は、現在実施しているフィールド試験後の4月以降に、常磐線および水戸線の約10カ所の踏切に試験導入を行い、実設備での効果を見極める。また、踏切保安装置での検討を踏まえて、無線通信装置や駅設備など、踏切以外の電源装置への活用を検討していく方針だ。