【世界初】KDDIら、5Gの仮想化基地局によるデータ通信成功
2022/2/21(月)
KDDI株式会社(以下、KDDI)、Samsung Electronics Co., Ltd.(以下、サムスン電子)、富士通株式会社(以下、富士通)は、世界で初めて商用ネットワークに接続するオープン化した5Gスタンドアローン(以下、5G SA)の仮想化基地局によるデータ通信に成功した。2月18日付のプレスリリースで明かしている。
5Gは、幅広い用途やニーズに合わせ柔軟で高度な通信を提供する技術として期待されている。具体的には、XRの利用や製造分野でのセンサー情報の収集と遠隔操作でのファクトリーオートメーション、交通分野での自動運転や運行管理などだ。また、利用用途の拡大により接続端末数や通信量は急速に増加すると予想され、今まで以上に迅速かつ低コストでのネットワークインフラの構築が重要となっていく。従来の基地局では無線制御装置に専用ハードウエアを用いているのに対し、同基地局では汎用的なハードウエアを用いている。また、ネットワーク機能は、サムスン電子の完全に仮想化されたソフトウエアで実現している。無線制御装置と無線装置間のインターフェースをオープン化したことにより、サムスン電子の無線制御装置と富士通の無線装置という異なるベンダーによる構成を実現した。
さらに、全国で共通化した汎用のハードウエアを利用することが可能となるため、基地局建設に関わる作業が効率化できる。完全仮想化されたソフトウエアは自動化システムとの親和性が高いため、基地局の設定作業時間が短縮される。これにより、地方などを含めた全国への迅速な基地局展開に貢献する。
なお、KDDIは、2022年度中に同基地局を一部地域から展開予定だという。さらに、3社は、基地局のオープン化と仮想化の開発を推進することで、5G SAのサービスの全国展開を促進する。そして、ユーザーに新たな体験をもたらすとともに、ビジネスの発展や日本のデジタル化の進展に貢献していくと述べている。
▼関係者のコメント ■KDDI 執行役員常務 技術統括本部長 吉村 和幸氏のコメント
サムスン電子、富士通とともに私たちはO-RAN標準に準拠した5G仮想化基地局を開発し、世界で初めて商用で運用を開始することができました。私たちのビジョンの達成に向けた大きな一歩です。今後も、KDDIは革新的なネットワーク技術の開発を主導するとともに、お客さまに安心かつ安全な通信と新たな体験価値を提供し続けていきます。
■サムスン電子 ネットワーク事業部副社長戦略マーケティングチーム長 金 佑駿(キム ウジュン)氏のコメント
サムスン電子の5G商用技術の先進性をいかして、KDDIおよび富士通とともに大きな成果をあげることができたことをうれしく思います。サムスン電子は、グローバルな大規模商用網の構築経験を生かし、5G基地局のオープン化や仮想化をけん引しています。今後ともKDDIとネットワーク革新の先頭に立つ一方、5G SAを活用し、ユーザーに価値のある5Gサービスを提供するため、引き続き協力体制を強化して参ります。
■富士通 執行役員常務 水野 晋吾氏のコメント
今回のKDDI、サムスン電子との取り組みの成果は、新しいO-RANベースのエコシステムでMassive MIMO Unitによる最先端のモバイルサービスが提供可能であることを証明しました。当社はこのエコシステムをさらに強化、成長させグローバルで高度なモバイルサービスを実現することにより、社会の持続的成長に貢献してまいります。
(出典:KDDI Webサイトより)