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KDDIら、自動運転車からドローンが離着陸するラストワンマイル物流成功

2023/3/27(月)

KDDI株式会社(以下、KDDI)らは2023年3月21日、長野県塩尻市の中山間地域で、自動運転車からドローンが離着陸し、ラストワンマイルの物流を行う実証に成功した。3月23日付のプレスリリースで明かしている。ドローンが、移動する自動転車の位置に合わせて離着陸することに成功したのは日本初(2023年3月23日時点。KDDI調べ)だ。

2030年の日本において、急速な人口減少に伴う労働力不足が課題となっている。特に、中山間地域では公共交通機関の縮小や小売業者の減少など、日常生活を営む上で必要となる買い物が困難になる人の増加が予想される。そのような課題を解決する手段として、自動運転車やドローンなどのスマートモビリティの活用による自動配送の仕組みを構築することが重要となっている。

同実証は、KDDI、アイサンテクノロジー株式会社で実施した。さらに、KDDIスマートドローン株式会社、株式会社KDDI総合研究所、および株式会社ティアフォーも協力している。

同実証では、中山間地域に対して自動運転車とドローンを組み合わせて自動荷物配送を行うユースケースを想定しているという。具体的な実証内容としては、荷物を載せたドローンが自動運転車上から飛び立ち、中山間地域を飛行したのち、自動運転車上へ帰還するシナリオで実施した。さらに、自動運転車の走行とドローンの運航を統合管理する「協調制御プラットフォーム」や高精度位置測位を活用している。

また、同実証の特徴は、「協調制御によるドローンの着陸位置の制御」、「衛星通信を活用したドローン飛行」、「高精度位置測位を活用した目視外飛行および着陸指示」だ。「着陸位置制御」は、自動運転車がドローンを飛び立たせた場所から移動しなければならないケースや、ドローンが飛び立った自動運転車とは異なる自動運転車に帰還しないといけないケースなどを想定したものだ。同プラットフォームを用いた協調制御により自動運転車の位置情報を参照しながらドローンを逐次制御することで、ドローンが正確に自動運転車上に着陸できることを確認している。

「衛星通信を活用したドローン飛行」では、ドローンにセルラー通信と衛星通信の両方が利用可能な通信モジュールを搭載した。これにより、セルラー通信が利用できないエリアであっても、衛星通信に切り替えることが可能となった。このため、同プラットフォームとの接続性を保ったまま自動飛行を行えることを確認している。

「目視外飛行および着陸指示」では、KDDIが提供するPPP-RTK方式の高精度位置測位サービスを活用した。PPP-RTK方式は、PPP方式のカバー範囲の広さとRTK方式の測位精度の高さの両者のメリットを併せ持ち、モビリティ性を高めた新しい高精度位置測位の方式だ。PPP-RTK方式を活用することで、平均してセンチメートル単位でドローンの位置を把握することが可能となり、自動運転車への着陸を実現している。

なお、両社は、今後労働力不足が顕在化する2030年頃を目途に、未来の荷物配送サービスの社会実装を目指す。同サービスの例としては、都市部からの大規模な配送を自動運転車、陸上からの輸送が困難な経路でドローンを活用した配送などだ。

さらに、両社は、自動運転車とドローンを活用した自動荷物配送サービスの社会実装に向けて、荷物配送計画から配送・帰還までをすべて自動で行えるよう同プラットフォームの機能を拡張していくと述べている。拡張予定の機能としては、「複数台の自動運転車とドローンの協調制御を行う機能」、「自動運転車やドローンが取得したカメラ映像や点群データを集約し、高精度な三次元地図の生成・更新を行う三次元地図基盤」、「三次元地図基盤を活用したドローン飛行経路の自動生成機能」だ。





(出典:KDDI Webサイトより)

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