ニュース

神戸市 自動運転・AIを駆使して 地域に根付く移動サービスを

2018/1/10(水)


地域に根付く自動運転サービスを目指して

当実験の「民」の関わりについて述べる際、代表的な役割を担っているのが、筑紫が丘自治会・会長の川渕啓司氏である。同氏は会見において「走行ルートについては筑紫が丘全体を網羅するように広げていただいた」と述べており、地域住民が実証実験に深く関わっている点がここからも見て取れる。同氏は「かつて開発されたニュータウンのことを『オールドニュータウン』と呼ばれているが、自動運転などの最新技術を取り入れて『ニューオールドタウン』と呼ばれるように先頭を走っていきたい」とし、「ニーズの高い近隣病院までのルートも将来的に運行できるようになれば」との要望についても触れている。

ここまで述べてきた内容の繰り返しとなるが、今回の実証実験は住民の生活を強く意識した取り組みとなっている。他方NTTドコモ・代表取締役社長の吉澤和弘氏は、「交通社会においても、より安全、より便利であることを追求する」ことへの重要性を強調し、記者から今後の展望について尋ねられると「今回の筑紫が丘が抱えている課題は全国の自治体にも言えること。交通空白の拡大を止めるためにここでの知見を広められるように考えていきたい」との考え方を示している。地域住民のニーズを密に共有し課題解決を図ることを通し、今後の全国的な社会問題へのアプローチにも役立てようとする意図が窺える。

今回のように地域住民とのコミュニケーションを通し、現実に即したニーズを浮き彫りにしたことのみならず、そのニーズを起点としてサービス内容を構築していった新しさ、そしてそれをミクロからマクロへ展開していこうとする取り組みは、当実証実験の差別化された価値を輝かせるだけでなく、今後の他団体による実証実験等に影響を与えるモデルとなる可能性もあるのではないだろうか。1960年代に開発が始まった同地において、最新技術を用いた今回の挑戦を注意深く見守っていきたい。

1 2 3

ログイン

ページ上部へ戻る