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ヤマト運輸×DeNA 宅配の新たなカタチ 「ロボネコヤマト」 LIGAREビジネスセミナー

2017/10/19(木)


オンデマンド宅配を目指す2つのサービス実証

続いて、DeNAオートモーティブ事業部ロボットロジスティクスグループ グループリーダーの田中慎也氏が、今回の実証実験の詳細について講演した。

株式会社DeNA オートモーティブ事業部 ロボットロジスティクスグループ
グループリーダー 田中 慎也 氏



オンデマンドでの宅配を実現するために開始した今回の実証実験では、2つのサービスを行っている。オンデマンド配送サービスの「ロボネコデリバリー」と買い物代行サービス「ロボネコストア」だ。

ロボネコデリバリーは、名前の通り従来の宅配に代わるもので、ヤマトの宅急便を好きな時間に好きな場所で受け取ることができる。受け取り時間は8時~21時と通常の宅急便と変わらないが、従来2時間単位での時間指定だったものが、10分ごとの指定ができるようになり、注文から最短40分で商品が届く。これにより、受け取り手の待ち時間を短縮でき、不在も削減できる。

もう1つのサービスであるロボネコストアは、地域のお店の商品を、好きな時に好きな場所で受け取れるサービスだ。商品の購入は、DeNAが運営するECサイトから行なう。これは、創業時からeコマースを行ってきたDeNAの強みでもある。

両サービスとも、配送の申し込みを行った後、到着の3分前に事前連絡がある。荷物が到着すると、受け取り手は車両に備え付けてある保管ボックスを事前に通知される暗証番号により解錠し、荷物を受け取る。この際のクルマは自動運転を想定しているので、運転手とのコミュニケーションは発生しない。

 

自動運転を活用したサービスの確立

田中氏は「自動運転の技術は、移動を便利にする。しかし、自由な生活スタイルを実現するためには、しっかりとサービスをつくらなければならない」と述べる。例えば、ガラケーからスマートフォンへの変化では、OSの上に電話できる機能だけでなく、アプリケーションにより便利なサービスが追加されたことで、生活に必須なものとなった。自動運転の技術をどのように活用していくのか、そのサービスモデルを今回のプロジェクトでつくり上げていく。

「宅配の自動化サービスにより、多様化するニーズへの対応や、人手不足の解消が見込める。自動運転はあくまで1つの手段であり、必ずしも自動運転=ドライバーレスではない」と田中氏は述べる。

これまでは、宅配ドライバーは運転スキルはもちろん必要で、それ以外にも重い荷物を持って移動したり、顧客とのコミュニケーションが必要だったりと運転以外のスキルを多く求められていた。

ロボネコヤマトにおける雇用拡大の可能性。これまで運転技術に加え、コミュニケーション能力などが求められたが、ロボネコヤマトのオペレーションにより、それぞれの技能を生かして雇用を拡大することができる。



しかしロボネコヤマトのオペレーションでは、非対面のため運転技術があればコミュニケーション能力は不要で、逆に運転ができなくても荷物を運ぶ領域でのドライバーが必要になるということも考えられる。これにより、人手不足に大きな一手を打てるのだ。

自動運転技術がいまだ確立されていない中、将来を見据えたオペレーション部分のサービスを考えることで、生活を非常に便利にするサービスの提供がすぐにでも可能になる。ロボネコヤマトは大きな可能性を秘めていそうだ。

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