メロウが「お魚販売モビリティ」開始 豊洲の鮮魚をタワマン下で
2020/6/23(火)
モビリティを活用したビジネスプラットフォーム「SHOP STOP」を展開する株式会社Mellow (以下、メロウ)は、6月21日の改正卸売市場法の施行に伴い、豊洲市場仲卸事業者へのサポートを開始。同日仲卸事業者3社のフードトラックと鮮魚の小売移動販売への参入を発表した。
メロウは新たな販路開拓に挑戦する仲卸業者とタッグを組み、「お魚販売モビリティ」のトライアル営業と、魚介類を使ったできたての料理を提供する「仲卸フードトラック 豊洲市場kitchen」を開始した。メロウの出店プラットフォームを活用したこれらのサービスによって、利用する住民は市場の仲卸が目利きした新鮮な魚介類や、それらを使った料理を自宅のすぐ前で購入することができる。
メロウは「今後も、モビリティを通じたサービスの拡充に努め、快適で活力に満ちたQOL (Quality of Life)の高いまちづくりに寄与する」と意欲を見せている。新しいショップ・モビリティは、八百屋、パン屋、花屋など、新しいラインナップも順次リリースする予定だ。
■コロナ禍における移動販売への期待の大きさ
メロウは新型コロナウイルス感染拡大により長引く外出自粛による「自粛疲れ」を懸念。自宅での食事ニーズに対応するため、従来はオフィスエリア中心だったフードトラック出店を住宅エリアでも展開した。都内の臨界エリアのタワーマンションや、高齢世帯も多く暮らす北区の団地などでも出店スペースの確保を進め、開始から2ヶ月弱で提供食数が3万食を越えるなど大きな反響を呼んだ。メロウはこのような住宅エリアでの利用者に対してヒアリングを行ったところ、「八百屋、魚屋、パン屋、花屋」といったサービスに期待する声が得られ、日常生活を支える移動店舗のニーズが相当数あることが確認できたという。メロウはこの結果について、「コロナウイルス感染の第二波、第三波が懸念されるなか、外出や外食への不安が残る子育て世代や高齢者、さらにリモートワークでの在宅時間の長い住民に、巣ごもり消費や手軽に買い物を済ませたいからだと想定できます」と分析している。
■法改正も多様化を後押し
コロナ禍の影響で飲食店の休業や営業時間短縮が長引き、卸・仲卸などの市場関係者にも影響が及んでいる。世界有数の水産物取扱量を誇る豊洲市場でも客足の減少が続くなど、大きな打撃を受けている状況だ。
その一方で6月21日から改正卸売市場法が施行。日本の卸売市場に掛けられていた多くの規制が緩和された。メロウはプレスリリースでこの改正について、「市場事業者も自由な流通チャネルを選びながら業態の多様化を進め、現代のグローバル経済のもと高度化した食品流通の中で新たな市場機能の形を模索していくことになります」と展望を示した。
写真左:鮮魚販売モビリティを運営する創業91年の老舗仲卸・泉久食品
写真中:仲卸フードトラック 豊洲市場kitchen 髙徳の「まぐろのたたき丼」1,000円
写真右:仲卸フードトラック 豊洲市場kitchen 倉田商店の「旬の魚介炊き込みご飯」850円
写真中:仲卸フードトラック 豊洲市場kitchen 髙徳の「まぐろのたたき丼」1,000円
写真右:仲卸フードトラック 豊洲市場kitchen 倉田商店の「旬の魚介炊き込みご飯」850円