経済産業省、蓄電池中間とりまとめ発表 蓄電池・材料の国内製造基盤確立へ
2022/5/10(火)
経済産業省は4月22日、蓄電池産業戦略の基本的な考え方や蓄電池産業戦略の方向性などを示した蓄電池産業戦略中間とりまとめを発表した。
蓄電池は、2050年カーボンニュートラル実現のカギであり、バッテリーは、自動車等のモビリティの電動化における最重要技術だ。同時に、再エネの主力電源化のため、電力の需給調整に活用する蓄電池の配置が不可欠となっている。また、5G通信基地局やデータセンター等の重要施設のバックアップ電源であり、各種IT機器にも用いられ、デジタル社会の基盤を支えるために不可欠なインフラの一つであり、レジリエンス強化のためにも重要だ。さらに、蓄電池市場は、車載用、定置用ともに拡大する見通しだ。当面は、EV市場の拡大に伴い、車載用蓄電池市場が急拡大し、足下では定置用は車載用の1/10程度の規模だが、2050年に向けて定置用蓄電池の市場も成長すると見込まれている。
同省は、今後の方向性として「液系LiBの製造基盤の確立」「グローバルプレゼンスの確保」「次世代電池市場の獲得」の3つを示した。「液系LiBの製造基盤の確立」では、蓄電池の輸出や定置用蓄電池向けに必要となる製造能力の確保も念頭に、遅くとも2030年までに、蓄電池・材料の国内製造基盤150GWhの確立を目標に掲げた。
「グローバルプレゼンスの確保」では、2030年に日本企業全体でグローバル市場において600GWhの製造能力確保を目標としている。600GWhは、2030年の世界市場が3000GWhまで拡大した場合もシェア20%を確保する試算だ。「次世代電池市場の獲得」では、産官学の研究開発力を結集し、2030年頃に全固体電池の本格実用化、2030年以降も日本が技術リーダーの地位を維持・確保することを目標としている。
さらに、同省は、今後の対応策として、「製造目標達成に向けた更なる国内基盤拡充のための政策パッケージ」「グローバルアライアンスとグローバルスタンダードの戦略的形成」などを提唱している。なお、詳細は以下で公開されている。
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/joho/conference/battery_strategy/battery_chukan_torimatome.pdf
(出典:経済産業省 Webサイトより)