政府 地方乗合バスの統廃合に向け独禁法の適応見直しへ 未来投資会議で検討
2018/11/12(月)
政府は11月6日、首相官邸にて未来投資会議を開催した。地方施策について話し合い、地銀や乗合バスの独占禁止法の適用見直しを検討した。
地方において、地方銀行や乗合バスなどの地域住民にとって不可欠なサービスの維持は国民的課題であり、その経営力の強化が求められている。特に乗合バスについては、少子化や人口流出により経営環境が悪化し、地域公共交通を支えることに限界が近づいて来ているのが現状だ。また、公共交通は同一地域の他の企業や地域経済の生産性向上に大きな影響があるセクターである。地域経済の維持発展やインフラ維持、合併等の競争政策上の弊害防止についてバランスよく勘案し、経営統合の判断を行っていく必要がある。こういった地域の実情を踏まえて、政府は、地方基盤企業の経営統合が可能となるように透明性の高いルールをつくる必要性を示した。乗合バスは地域利用者にとって利便性の高いサービスであり、複数事業者間で地域住民のためのサービス内容を調整することがカルテルと指摘されないよう、独占禁止法の適用を見直す方針だ。地方基盤企業の真の再生に向けて、競争政策上の配慮だけでなく、他の支援策を含めた支援策パッケージを組む可能性も示唆した。安倍総理は「経営統合等を検討する際、それを可能とする制度を作るか、または予測可能性をもって判断できるよう、透明なルール整備を検討したい。専門家を含めてしっかりと検討を行い、(中略)その結論を、来年夏までに決定される実行計画に盛り込んでいく」と述べた。
■関連資料
「第21回未来投資会議 開催要領」「地方施策に関する参考資料」/日本経済再生総合事務局
「企業統合に対する独占禁止法の適用について」/公正取引委員会