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名大、東海大、東大でサウジの若者が自動車工学やエネルギー分野学ぶ

2018/7/30(月)


ミスク財団=MiSK Foundation(サウジアラビア・リヤード市)は、サウジの若者の知識とクリエティビティ面における育成を目標に、今夏、日本の大学でインターンシップ研修を行っている。同財団が行うインターンシップ研修の日本側の受け入れ先は、名古屋大学、東海大学、東京大学など工学系の自動車エンジニアリングや新エネルギーに特化した大学。同財団は、アジアでの研修は日本が初めてで、サウジアラビアからの参加者は同国の大学・大学院から選考された学生だ。



ミスク財団は、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下が同国の若者たちのためにイノベーションと創造性を生み出す非営利組織として2011年に設立し、サウジの優秀な学生を工学、経営学、情報技術の分野で海外の秀でた大学に派遣するインターシップ留学を行ってきた。過去にはハーバード大学、ユネスコなどの組織とパートナーシップを結び活動をしている。

インターンシップを企画したミスク財団子会社マンガプロダクションズCEO、ブカーリ・イサム氏は、「ミスク財団が推進するプログラムの目的の一つに、サウジの若者の創造力育成があります。今回、日本が得意分野とする自動車エンジニアリングや再生可能エネルギーに特化し、サウジの優秀な若者が日本で研修する機会を得ました。これを機に、日本でインターンシプに参加した若者が、サウジで活躍することを願っています。」と語っている。

今回の研修で、ソーラーカーを中心に研修生を受け入れている東海大学山田清志学長は、「本学創立者の松前重義博士は『若者たちが宗教や思想を超えて、共に学ぶことが世界平和の第一歩である』と語っています。その根底には、互いの文化の違いを尊重しながらも相互理解することが必要であるという信念が根付いている。サウジアラビア王国と本学は、様々な交流を通じて友好関係を築いてきた大変重要なパートナーです。今回の研修プログラムでは、日本の文化や次世代エネルギー研究開発、本学の教育プログラムに触れることで、両国の交流や発展につながる実り多い成果となることを心から祈念しております。」と述べた。

◆以下、エンジニアリング・省エネルギーなどに特化した3大学とのインターンシップ研修

名古屋大学(愛知県名古屋市)工学部・工学研究科。6月8日~7月19日。同大学学生と留学生が参加し、サウジからは4名。
<Summer Intensive Program at Nagoya University (NUSIP)>.
名古屋大学教員と企業の研究者が協力し自動車工学に関する最新技術をわかりやすく講義。地元のトヨタ自動車や三菱自動車など企業・研究所の施設見学もあり、留学生と名古屋大学学生で「課題研究」を行い、成果発表会を行う。

名古屋大学研修生



東海大学・湘南キャンパス(神奈川県平塚市)。6月25日~7月25日。サウジから28名。
<ソーラーカーの理論と実習>
東海大学は1991年からソーラーカーの開発に着手し、世界のソーラーカー・レースに参加するトップレベルの実力がある。学生はソーラーカー・エンジニアリング理論の基本から応用までの講義受け、実際のソーラーカーを使った車体の製作工程やレース運営までを同大学学生のサポートの下実習し、サウジアラビアの学生自身でソーラーカー・レースに参戦できるようになることを目標とする。なお、このプログラムは、パナソニック株式会社、東レ・カーボンマジック株式会社、株式会社アマダホールディングス、工学院大学ソーラーカーチームといった企業や大学の研修も組み込まれている。

東海大学湘南キャンパスにて



東京大学(本郷キャンパス)工学部・大学院工学系研究科。7月13日~8月9日。29名。
<Global Leadership Program for Sustainable Energy>
脱石油依存経済を目指すサウジアラビアの次世代リーダーを担う人材の育成を目的。学生は集中講義と実際の研究開発およびエネルギー生産の現場見学で最先端再生可能エネルギー技術に関する知見と近未来の持続可能グローバルエネルギーシステムに対する考え方を学習する。併せて、資源制約に直面した環境で育まれた日本独自の文化的環境を体験し、省エネルギー・省資源技術の背景を理解する。

東京大学 住友電気工業横浜制作所(湘南・大船)を視察



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