三菱電機の考える自動運転 準天頂衛星によるセンチメートル級の自車位置測定が可能に
2017/12/26(火)
自動運転デモの様子
CLAS信号を使った自動運転
実際のテスト走行ではじめに見学したのは、準天頂衛星によるCLAS信号を利用した自動運転だ。xAUTOの車載モニターのボタンを押すと、手動運転から自動運転に切り替わる。この自動運転は、白線検知や車線維持制御の技術などを用いた自律型と、CLAS信号を利用したインフラ型の両者を組み合わせている。最高速度で40km/hほどだが安定した走りを見せ、さらにロードコーンで狭められた道も難なく通過した。まさにCLAS信号によるセンチメーター級の誤差のコントロールができることによるものだ。また、車内にはドライバーを監視するデバイスがあり、目の開き方や視線の方向などから居眠りやわき見を検知し、モニターに警告を表示する機能がある。警告後に居眠りなどが続いた場合、路肩に自動で停車するようになっており、安全面も考慮されている。
空きスペースを検知して自動で駐車
続いて自動駐車の技術を体験した。駐車場の白線などを認識するのではなく、カメラや超音波センサーにより駐車可能な空間を検出し、自動で駐車するというもの。運転中に、ある一定の速度を下回ると、システムが自動で駐車スペースを検出、車載のモニター上に駐車可能なスペースを表示しドライバーに知らせる。ドライバーは降車し、リモコンのボタンを押せば、xAUTOが完全自動で駐車する。切り返し回数も少なく、枠のない縦列駐車を成功させるなど、高度な技術を体験できた。V2V通信やセンシングによる他車追従
その他にも、クルマ同士が通信することで車間を維持し前方の車両に追従するV2Vによる走行や、レーダーなどによるセンシングにより、通信を使わずに渋滞時などに前方車両を追従する機能なども体験した。また、自動急ブレーキの体験では、40km/hで走行中にマネキンの飛び出しを検知し、直前で止まった。かなりきわどいタイミングのように感じたが、担当者によると「人間に危機感を与えなければ自動運転に頼りきってしまうため、わざとギリギリで止まるようにしている」とのことだ。試乗して、CLAS信号を利用した正確な制御が可能になった自動運転に加え、安全性に十分配慮された技術を見ることができた。レベル2以上の自動運転の実現もそう遠くないのかもしれない。
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