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自動運転時代の新材料を探る 三井化学の考えるモビリティ社会の素材の可能性

2018/3/13(火)


――初めてクルマで使われる材料はどれでしょうか。

曇り止めコート、アーレンの構造材、パロニア、無黄変のウレタンは初めてです。シール材に色を付ける試みも初めてです。

――センシング材料について教えてください。

張力の変化を捉えることができる素材です。引っ張ったり、曲げたりすると電気が発生します。これを圧電センサーで読み取ることで、脈拍と呼吸のサイクルを計測することができます。ソリューションとして考えると、振動のキャンセリングを行なうことができると思います。トラックのシートの下に揺れをキャンセリングさせる複雑なシステムがあって、もっと小さくて簡単なものを考えたいです。

――感性材料はどんな取り組みでしょうか。

rimOnOさんと素材の感覚を数値化することを進めています。例えば音響対策では、吸音、遮音、制振、防振と、複合的な対策が必要になります。空気伝搬と固体伝搬など音の伝わり方を分析して、それぞれにあった対策法を考えてノイズ対策をしています。これまでは、1つの機能を1つの材料で実現しようとしていました。例えば、不織布は吸音対策として使われていましたが、不織布だけでは十分ではないので、複合化させたり、遮音と制振と組み合わせたりすることによって、防音を実現しています。また、ドアから風切り音が入ってきますが、車体のどこの構造から音が入ってくるか、どういう音の種類なのかを分析し、材料設計を変えたり、構造の提案を変えたりすることをしています。

――自動運転及びコネクテッドに対して材料をいかに生かせますか?

曇り止めは必要になります。自動運転の時代には、室内にセンサーを置くというケースが出てくると思います。その時に室内から外を通ったりすることをやりやすくするために曇らないような工夫が必要であると思います。あとは室内の快適性をコンセプトにした材料検討も必要になってきます。

――今後の目標についてどうお考えでしょうか。

まずはrimOnOさんのクルマに搭載し、小型自動車で耐久性を確認します。その実績をもとに、次の段階として、現在の自動車メーカーにある程度展開できればいいと思います。既存のビジネスとはぜんぜん違うカテゴリで、世の中に新しい可能性を提案していきたいです。

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