地域公共交通ネットワークへの「リ・デザイン」を進める法律案が閣議決定
2023/2/13(月)
地域の関係者の連携・協働(共創)を通じ、利便性・持続可能性・生産性の高い地域公共交通ネットワークへの「リ・デザイン」(再構築)を進めるための「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律案」が、閣議決定された。国土交通省が2月10日付のプレスリリースで明かしている。
地域公共交通は、人口減少やモータリゼーション等による長期的な利用者の落ち込みに加え、新型コロナウイルスによるライフスタイルの変化の影響もあり、大変厳しい状況に置かれている。特に、一部のローカル鉄道については、利用者の大幅な減少により、鉄道が有する大量輸送機関としての特性が十分に発揮できない状況にある。同法律案の目的は、「地域の関係者の連携と協働の促進」、「ローカル鉄道の再構築に関する仕組みの創設・拡充」、「バス・タクシー等地域公共交通の再構築に関する仕組みの拡充」、「鉄道・タクシーにおける協議運賃制度の創設」だ。
「地域の関係者の連携と協働の促進」では、法律の目的規定に「地域の関係者」の「連携と協働」を追加した。さらに、国の努力義務として、「関係者相互間の連携と協働の促進」を追加している。同時に、地域公共交通計画への記載に努める事項に「地域の関係者相互間の連携に関する事項」を追加した。
「ローカル鉄道の再構築に関する仕組みの創設・拡充」では、地方公共団体又は鉄道事業者からの要請に基づき、国土交通大臣が組織する「再構築協議会」制度を創設し、協議会において「再構築方針」を作成する。くわえて、再構築方針等に基づき実施する「鉄道事業再構築事業」を拡充した。
「バス・タクシー等地域公共交通の再構築に関する仕組みの拡充」では、地方公共団体と交通事業者が、一定の区域・期間について、交通サービス水準、費用負担等を定めた協定を締結して行うことができるよう「地域公共交通利便増進事業」を拡充した。ほかにも、AIオンデマンド、キャッシュレス決済、EVバス等の導入を通じ、交通分野におけるDX・GXを推進するため「道路運送高度化事業」を拡充している。
「鉄道・タクシーにおける協議運賃制度の創設」では、鉄道・タクシーについて、地域の関係者間の協議が調ったときは、国土交通大臣への届出により運賃設定を可能とする協議運賃制度を創設した。
(出典:国土交通省 Webサイトより)