五島市では、高齢化や医師不足、移動サービスの確保などの課題を抱えている。そのため、通院が難しい高齢の患者への利便性の高い医療サービスの提供や医師の業務効率化が求められている。

このような背景から、五島市は、MONETの協力の下、医療機器などを搭載した車両(移動診療車)を活用したオンライン診療を行う医療MaaSの取り組みを開始する。今回の取り組みでは、看護師が移動診療車で患者の自宅付近へ向かい、病院にいる医師がテレビ会議システムを通して車内でオンライン診療を行う。車両には、血圧計やパルスオキシメーターなどのバイタル測定を行う医療機器にくわえ、分娩監視装置やポータブルエコー、糖尿病分析装置などを搭載しており、さまざまな疾患の検査・診断に対応する。糖尿病患者には、栄養士による栄養指導も行う予定だ。

MONETは、同取り組みに対し、運行に関する全体の調整を支援するほか、医療機関向けの予約システムやドライバー向けアプリ、管理者向けの運行管理システムなどを提供する。このシステムを活用することで、複数の医療機関が車両を共有して効率的な運行を実現できる。将来的には、五島市の最大の島である福江島だけでなく、移動診療車が周辺の奈留島や久賀島を巡回するモデルを検討するなど、離島に合った医療MaaSモデルの構築に向けて取り組みを進めていく予定だ。

なお、五島市とMONETは、医療MaaSの運行により、患者の治療継続をサポートして重篤化を防止するとともに、医師の業務を効率化し、持続可能な医療体制を構築することを目指す。さらに、MONETは、五島市での取り組みをモデルにして、同様の課題を抱える全国各地の離島に医療MaaSを展開し、地域の課題解決に向けて取り組むと述べている。


(出典：MONET Webサイトより)