「MONETコンソーシアム」設立で進む『なかまづくり』、日野&Hondaも参画
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2019/6/7(金)
トヨタ自動車株式会社(以下「トヨタ自動車」)とソフトバンク株式会社の共同出資会社であるMONET Technologies株式会社(モネ・テクノロジーズ、以下「MONET」)は3月28日、全国の地方自治体や企業向けにMONETの今後の事業展開や新たな取り組みなどを紹介するイベント「MONETサミット」を東京都内で開催した。イベントには自治体関係者280名、企業関係者320人が出席。MONETのモビリティサービスへの関心の高さがうかがわれた。
イベント冒頭、トヨタ自動車の豊田章男社長がサプライズゲストとして登場し、集まった来場者に向けて感謝の気持ちを伝えた。予期せぬ豊田社長の登場に、会場は盛り上がりを見せた。その後、MONETの代表取締役社長 兼 CEO 宮川潤一氏、取締役 山本圭司氏、代表取締役副社長 兼 COO 柴尾嘉秀氏の3名が登壇。これまでの地方自治体や企業と連携したMONETの取り組みや今後のビジョンなどについて説明した。自動運転時代のプラットフォーマーを目指す
最初に登壇した宮川氏は、「20年後の日本というテーマでモネ・テクノロジーズを設立して運営している」とMONETの成り立ちから始め、「この5年先、10年先が分からないという時代に突入している。その中で20年後に日本で一番お役に立っているような会社を作ってみたい。こんな想いがモネ・テクノロジーの中にある」と語った。また、1900年頃と1913年のニューヨーク5番街の写真を見せながら「自動車が登場して、13年で馬車だらけだった道路を車だけが走るようになった。今に置き換えると、あと4年で自動運転の車が走り始める。今から20年後の日本がどうなっているのか考えると、将来には大きな可能性が待っている」と続け、「MONETがこれから始まるMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の世界でのプラットフォームの中心になるという方向感で、一歩一歩育てていきたい」と、自動運転時代のプラットフォーマーを目指すという同社の意気込みを示した。続けて、MONETにおけるMaaS戦略の3つの柱として、既存バスなどモビリティ間の連携を高めた「既存交通の高度化」、顧客と車両をつないだマルチサービスというサービス間連携による「新たなライフスタイルの創出」、スマートシティに代表される充電スタンドと駐車場の動線を最適に提供するようなインフラ間の連携による「社会全体の最適化」の提案を紹介。そして「MaaSが爆発的に普及する鍵は自動運転車」であり、「今はAI性能向上のために良質なデータを大量に集め、自動運転車導入への基盤を築く時期」だという見解を語った。