moovel 日本のMaaS市場に参入 東急電鉄の観光型MaaS「Izuko」で
2019/1/31(木)
東急電鉄、JR東日本、ジェイアール東日本企画は1月31日、「観光型MaaS」の実証実験を、4月から伊豆エリアにて開始することを発表した。同日、東急電鉄はメディア向け説明会を開催し、その中で moovel が日本へ参入することを明かした。
ダイムラー子会社の moovel による統合モビリティサービス「moovel」アプリは、アプリ上で予約機能と支払い機能を備えたMaaSプラットフォーム。全世界のユーザーは500万人に上る。今回の観光型MaaSの実証実験で使用する専用アプリ「Izuko」(イズコ)はmoovelが提供。国内外の観光客が鉄道、バス、AIオンデマンド乗合交通、レンタサイクルなどの交通機関を、スマートフォンで検索・予約・決済し、目的地までシームレスに移動できる2次交通統合型サービスを目指す。
観光型MaaSの実証実験は「伊豆における観光型MaaSの実証実験実行委員会」で進める。実行委員の事務局はジェイアール東日本企画。会長を(一社)美しい伊豆創造センター、委員長を東急電鉄、ジェイアール東日本企画、副委員長をJR東日本、楽天、伊豆急行が務める。
期間は4月1日~6月30日(Phase1)と9月1日~11月30日(Phase2)の計6カ月間で、展開エリアは東伊豆および中伊豆エリア。「Izuko」は日英2カ国語対応で、伊豆急線、伊豆箱根鉄道駿豆線の全線と、展開エリア内を運行する伊豆箱根バスと東海バスの検索が可能。また、AIオンデマンド乗合交通、レンタサイクルとレンタカーの予約が可能。
決済方法は乗り放題が可能なデジタルフリーパスの「Izukoイースト」(3,700円)と「Izukoワイド」(4,300円)の2種類と観光施設入場券(小室山観光リフト、下田港内めぐり、下田海中水族館など5施設を予定)。その他、デジタルマップでは飲食施設や携帯充電箇所などを多言語案内も行う。
伊豆は鉄道5路線、バス390系統、タクシー数社がありながら、来訪手段は「8割が車」となっており、二次交通を利用した周遊促進が地元経済にとっての課題となっている。二次交通の衰退は、二次交通従事者の減少、不便さを引き起こしている。そのため、長期滞在の観光客が減少し、ICTを活用した観光地づくりも進んでいないのが現状。
空港や駅から目的地までの二次交通をスマホで予約・決済し、旅行者にシームレスな移動を提供する観光型MaaSを推進し伊豆をICTを活用した観光の先進地域にすることで、旧型の観光地からの脱却を目指す。6カ月にわたる実証実験ではダウンロード数2万件、デジタルフリーパス1万件の購入が目標とされている。
moovel広報のコメント:「moovelは公共交通機関をモビリティサービスソリューションの根幹だと考えています。 moovelは、JR東日本と東急コーポレーションからの依頼を受け、お互いに価値のあるパートナーシップを構築し、日本の市民や観光客にメリットを提供するプラットフォームを開発することを誇りに思っています」