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MoT、タクシー産業GXプロジェクト開始 全国約100社が参画

2022/12/13(火)

株式会社Mobility Technologies(以下、MoT)は、全国のタクシー事業者と各種パートナー企業が参画するGX(グリーントランスフォーメーション)の取り組み「タクシー産業GXプロジェクト」を12月から開始する。12月12日付のプレスリリースで明かした。
同プロジェクトでは、タクシーGXを通じて日本の運輸領域全体のGXを推進するとともに、タクシーのEV車両化によって、社会全体のカーボンニュートラルへの意識向上促進を目指している。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「グリーンイノベーション基金事業/スマートモビリティー社会の構築」(以下、GI基金)採択による支援を含む最大280億円規模の取り組みとなる予定だ。

具体的には、「エネルギーマネジメントシステムの構築」、「タクシー事業者へのEV車両のリース提供と充電機器の提供」、「CO2削減量の見える化」を実施する。

タクシーにおいて、30分程度の充電時間の確保は、乗務員の休憩時間などタイミングが極めて限られており、運行に合わせた充電器設置が必要だ。くわえて、充電タイミングを自由に行うと電力代が高騰する時間帯での充電も発生しうる。

「エネルギーマネジメントシステムの構築」では、適切なタイミングで充電サービスを電力卸市場から廉価に提供することで効率化を図り、タクシー領域における総合的なCO2削減を実現する。

また、運行効率を損なわない充電計画は、AIを活用して作成する。これらの技術開発と技術検証は、最長2031年までに実施し、EV運行マネジメントとエネルギーマネジメントに最適なシステムの開発・提供を進めていく予定だ。

くわえて、同社は、東京電力ホールディングス株式会社と協働で、EVタクシーが導入される営業所の脱炭素化等を実施する。さらに、充電器や蓄電器などの設備故障や設備不具合によって運行ができなくなるなどの経済損害などのリスク補償として、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社と企画開発を行った新たな保険メニューも用意する。MoTは、代理店として保険募集を行う予定だ。

「タクシー事業者へのEV車両のリース提供と充電機器の提供」では、プロジェクトへの参画表明をしているGO加盟事業者(2022年12月時点)に対して実施する。提供するリース車両は、トヨタ自動車「bZ4X」、日産自動車「リーフ」、「アリア」など2031年まで最大2500台(GI基金交付により1車両あたり最大2/3が助成、対象車種は今後拡大予定)だ。

また、充電器は、急速充電器400台と普通充電器2500台(合計で最大2900台)を各営業所へ提供、設置する。GI基金助成金等を活用することにより、事業者の実質負担なしで実施する予定だ。

さらに、同取り組みでは、運行計画内の休憩時間帯には急速充電器、非稼働時間帯には普通充電器を利用し、効果的に充電を行う仕組みを設計する。ほかにも、将来的にはタクシー運行計画に応じた営業所外の充電機器の設置も検討を進めるという。なお、タクシー事業者は、充電量に応じたチャージサービス料をMoTに支払う。

「CO2削減量の見える化」では、タクシーアプリ「GO」の法人向けサービス「GO BUSINESS」の管理画面において、EVタクシー車両利用による1台あたりのCO2排出量を表示し、CO2削減量の見える化を可能にする。将来的には、タクシーアプリ「GO」の一般ユーザー向けアプリ画面でも同様の表示を行う予定だ。

なお、車両および充電器提供とタクシー運行に特化した効果的なエネルギーマネジメントシステムの構築により、CO2排出量をほぼ100%低減させ、3万t/年の削減が期待できる。

また、同社は、今後同取り組みをタクシー事業者全体に拡大し、CO2排出量のさらなる削減を目指すことで、タクシーのGXを通じて、日本全体の脱炭素意識の向上を目指していくという。
くわえて、CO2排出削減からカーボンクレジットを創出し、タクシー業界の脱炭素化の加速、ならびにモビリティ産業以外の脱炭素化も見据えて同プロジェクトを進めていくと述べている。

■MoT 代表取締役社長 中島宏氏のコメント
「社会全体で解決していく必要がある脱炭素化と言う大きなテーマを前に、モビリティ分野においてGXの取り組みは急務です。しかし、脱炭素化は単にEV車両を導入することで解決するものではなく、発電・送電との連携に加えて、運行オペレーションと充放電の最適化など、極めて複雑性の高い事象を解かなければ実現に辿り着くことができません。また、サービス提供者の取り組みと共に、ユーザー側の意識を脱炭素化に向ける取り組みも必要不可欠です。そうした複雑性の高い、産業全体の脱炭素化をダイナミックに起こすためには「GXの前にDXを成し遂げているかどうか」が極めて大事な前提となります。その前提を踏まえると、タクシー産業の脱炭素化は、MoTが持つアセットこそを必要とするテーマです。私たちのミッションである「移動で人を幸せに。」の実現形の一つとして、人々にとって身近な存在であり、街中の風景に馴染んでいるタクシーの脱炭素化を成し遂げ、一般社会の意識を脱炭素化に向かわせるきっかけの一つとなれるよう全力で励みたいと思います。」

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